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猟奇的なマリア  作者: 作家椿
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転機

 西野先輩。西野やよい、という、とても朗らかな、私の先輩。

 井畑夏美。西野先輩ですらかすんでしまうような笑顔を、常に絶やさない、私に夢の中で殺され続ける、私の数少ない友人。

 そして、フェアリィ。フェリシティ・ヘンダーソン。私を汚れた白百合の持ち主とするのであれば、汚れを永遠に知らぬ清流の持ち主。

 どうか、この私に、狂った浜坂佳織に、光を、正常という名の光を。

 その光明にすがろうとする私は、どこまでも狂っていました。

 この狂気から解き放たれるには、夢を、あの悪夢を実行する外に無い、そう思いこんでしまうほどに。

 夏の休日。三年振りの日本の夏。

 空はどこまでも青く、雲はどこまでも白く、空気ははっきりとした重さを持っていました。

 狂気。

 それは私を依りしろにし、私という現存を得ていました。

 その狂気は、私に囁きます。様々な殺害と、実行のための様々な手法と、その犠牲者を。私は、今に至るまで狂っています。ですので、その時には、私にはそれは破滅への入り口ではなく、光明の、幸福の入り口に思えていました。

 実際に、この手で命の危うさを知り、この手に血の暖かさを教えることで、狂気から解放されるのだと、そう思い込んでいました。

 狂気は、こうも囁きました。私の生きるべき場所はどこにもない、なら作り出すために、創造するために、殺人という行為を実行しろ、と。片端から殺し、殺し続け、世界の中心となり、世界の中心として、血にまみれた歓喜の叫びをあげろ、と。

 お前が狂っているのは、神に見放されたからだと。聖母に見捨てられたからだと。なら、自分が神になれば良い、聖母になれば良い、と。

 夜毎、その狂気、つまり私は、様々な殺人……いえ、殺戮の方法を、真剣に考えていました。もはや彼を手に入れることは、彼から再び白百合を授けられることは、心底あきらめていました。ですので、ただひたすら、殺人と、殺戮の方法と対象を、考え続けていました。

 私には、三年後のあの約束がありました。

 殺人は罪である。それを認識するだけの正気は、その当時の私には、残っていたようです。

 その正気は、仮面だったのでしょうか。それとも、狂気と同じく、私という現存を得ていたのでしょうか。

 三年後の、あの約束を果たすためには、誰かを殺し、そして自らも刑によって殺されるわけには、いきませんでした。

 ある日、手紙が届きました。望みもしなかった、けれど心から望んでいた手紙でした。

 差出人は、フェリシティ・ヘンダーソンでした。

 半年前の、あの涙に溺れそうになったときのことが、ありありと浮かびました。

 既にフェアリィは、簡単な日本語であれば操れるようになっていました。小学生が書くような綺麗なひらがなで、単純でありながら、彼女その物と思える手紙を、彼女は私のためにしたためてくれていたのでした。

 きのう、りりうむのゆめをみました。これがとどくときに、そのきのうは、とてもとおくなっていることだとおもいます。もしかみさまがおのぞみになるなら、なんどでもわたしはりりうむのゆめをみられるとおもいます。あいをこめて。ようせいより。




 明くる朝、またもや、望まなかった、いえ、望めなかったものが、私に訪れました。そう、フェアリィからの手紙も。望むことを諦めていたわけではありません。望むことを奪われたわけでもありません。ただ、それがあると、あれだけフェアリィの霊感を信じておきながら、たった一通の手紙すら、私は望むことができなかったのです。

 あの夢で、最早私は悲鳴と共に目覚めることはできなくなっていました。しかし、フェアリィからの手紙によって、再びそれを得ることができるようになりました。

 悲鳴と共に目覚めます。聖母マリアに赦しを請います。涙に濡れ、目の端に白百合が写り、そして、部屋のドアがノックされました。

 長い間我が家につとめているメイドが、私に来客である、と、母親からの言づてであることも付け加え、ドアの向こうから告げてきました。

 涙に濡れながら、祈りながら、私は感謝を感じました。もう狂いきって、人を殺す夢を見ても、産まれる前の赤ん坊すらも殺す夢を見ても、悲鳴を上げることを忘れていた私に、再びそれが降りてきたのですから。

 私は、身支度をするから、来客には客間で待っていただいてください、と伝え、急ぎ言ったとおりのことをしました。ドレッサーの前で、お座なりながらも髪を整え、寝間着からきちんとした服に着替えます。そして鏡の前で……微笑みました。

 来客が誰であっても構わないように、だったのか、それとも、己の、かりそめの正気を再び確認できたからなのかは、分かりません。ですが、私はただ、微笑みました。

 来客は、西野先輩でした。

 宿題が大変だ、だとか、グラスゴーに比べてここの夏はやはり地獄だ、だとか、そんなお話を、私にしてくださいました。

 そして、私の母親とメイドに、手みやげであると短く伝え、なにがしかの包みを手渡しました。やがておしゃべりにも(元々私は「無口」の部類にはいるのですから、それは全く早く訪れましたが)疲れ始めた頃、メイドではなく母親が、珈琲とベリーのタルトを、客間の小振りなテーブルに置き、これからも娘を宜しく、などと言い残し、去っていきました。

「さっきから」

 珈琲を一口すすると、西野先輩は、悪戯っぽく、にやりと笑いました。

「ずっとニコニコしてるじゃない。何か良いことあったの?」

「手紙を受け取りました」

 私は、柔和な微笑とはどういうものだろうと想像しながら、その想像通りの不格好な微笑を浮かべました。

「ローモンド湖のほとりから、一通」

 口にすると、ありありと、彼女のあの屈託のない微笑が浮かびました。私が彼女をフェアリィと呼んだ時の、あの笑顔が。

「グラスゴーからかぁ」

 椅子の背もたれに背を預け、思い切り、西野先輩は背伸びをなさいました。

「懐かしいな。フェリシティでしょ?」

「はい、フェアリィから」

 言って、少し、思案します。その様子に、少し西野先輩は驚いたような顔で、私の顔を見ました。そして、やはり先輩には言うべきだと思い至り、口にしました。

「日本語で」

 その一言で、先輩には全て伝わる、そう信じて。

「なるほどね」

 先輩は、言いながら、更に大きく伸びをなさいます。

「あの子、日本に来るんだ。恋人がいるって言ってたけど、そっちはどうすんのかな。自慢じゃないけど、あたしは器用だからなぁ。あの子は、あんたにそっくりで、一つのことしかできないし、良い意味でね、もちろん」

 私は、ただただ微笑を浮かべていることしかできませんでした。が、ふとコーヒーカップが目に入り、一口、それをすすりました。

 随分長い間、先輩は伸びをなさったままでしたが、数十秒ほどしてからようやく姿勢を戻し、また、あの悪戯っぽい笑みを浮かべました。

「救われた、って感じ?」

「英国を出るときに、三年後に会おうという約束はしておりました。ですが、確かに救われたのかも知れません」

 救い。それはほんの些細なことでした。それを自覚させてくださったのも、また些細な一言でした。狂気を、例えひとときであろうと、私の奥へと潜めてくれるだけの救い。それはフェアリィの手紙であり、西野先輩の何気ない一言でありました。

 彼女の、フェアリィの、はしばみ色の瞳。フェアリィの、本物の赤毛。フェアリィの、お人形のように整った顔立ち。フェアリィの、本物の妖精のように小さな体。彼女その物が、私の隣で、西野先輩と私を交互に見ながら、珈琲をすすっている、そんな感覚さえしました(何故かその時のフェアリィは、ぶっきらぼうな表情をして、小さな子供のように足をぶらぶらさせているように思えました)。

 西野先輩は、乱暴に、ですがとても優しく、私の頭を撫でてくださいました。

「これで少しは休まると良いね、この前言ったみたいにさ。せっかくの夏休みだしね」

 一口、珈琲をすすられます。

「あの子は、あんたにとって、いつだって正しいからね」

「はい」

 私も、一口すすります。

「フェアリィが、そして西野先輩が、私を助けてくださいました」

「そんな大層なことは、したつもりないんだけどね。フェリシティはともかくとしてさ。しかし珈琲は駄目だね、煙草が吸いたくなる」

「父が煙草を吸いますから、入り用なら、灰皿を……」

「駄目だって」

 西野先輩が、私の、挙げようとした手を遮ります。

「あたしは一応高校二年生、立派な未成年さ。だからそういうのは駄目」

 言葉は真剣でしたが、それでも、先輩はまだ、笑っていらっしゃいました。

「ま、礼なら神様に言っときなよ。あたしは、あんたの嬉しそうな顔が見れて満足したしさ」

「父と子と聖霊の御名によって?」

「そう。アーメン」

「アーメン」

 言って、私は目を閉じ、本当に、祈りました。赦しを請う祈りではなく、感謝の祈りでした。勿論、本物の白百合たる、聖母マリアにも。

 十字を切り、目を開けます。

 先輩は、まだ笑っていてくださいました。




 そうして、二つの偉大なる力によって、ようやく苦しむことのない『悪夢』から解放され、再び苦しむという幸福を許された私は、それでも彼を諦めきれず、しかし彼を諦めるほか無い、彼を手に入れたい、しかし彼を手に入れる資格などない、そんな二律背反にさいなまされながらも、仮面を被り続けました。

 それは正常という仮面であり、そしていつしか『周りの人間』が私にかぶせた仮面でした。いいえ、私はずっと仮面を被り続けてきたのかもしれません。そう、何故なら、私は名前で呼ばれることを、酷く嫌い、避け続けてきたのですから、『リリウム』や『ゆりしー』と言った『私を形容する言葉』が、果たして仮面でないと、誰が言い切れましょうか。

 どこかで、個人を意味する英語、Personは、ラテン語の仮面(ペルソナ)が語源だと聞いたことがあります。その正誤は、私は知りません。しかしだとすれば、私達の偉大なる先達は、なんたる的確な言葉をお作りになったのでしょうか。私は、仮面を被り、その仮面こそが、私、浜坂佳織、つまり『リリウム』であり、『ゆりしー』であったのですから。

 フェアリィからの手紙は、だんだんと難しい日本語を交えるようになりつつ、文字は流麗さを増しながら、彼女そのものであるような文章であることはそのままに、大体月に一度のペースで届きました。私は、何故でしょうか、その手紙の返事を、全て英語でしたためておりました。彼女とだけは、英語で話していられる、という、ある種の気楽さがあったのかもしれませんが、理由は定かではありません。彼女からは日本語の、彼女へは英語の手紙が、月に一度、交わされました。そこには、フェアリィが感じている様々な事や、私への啓示、予言も含まれていました。いえ、だからなのかもしれません、私は、それへの返答についての的確な日本語を、日本人でありながら知らなかったのかもしれない、そんな理由も、あったやもしれません。

 彼女からの手紙の数がダースを超えてもなお、私は『苦しむ』という幸福に満ちあふれていました。聖書によれば、『苦痛に耐える者こそが、人生の王者となる』そうです。しかし、それはどうやら、私に対しては例外であったようです。いえ、例外というには、少し違います。何故なら、私は、苦痛を、苦悩を、つまり苦しみを、私は幸福であると感じていたからに他ならないからです。私は、あの夢、あの悪夢を見続け、しかしそれによって苦しめられているという事実に、幸福を感じていたのです。耐えてなどいませんでした。ただ、甘受していました。いえ、甘受という言葉もまた、違うような気がします。享受という言葉も、また違う気がします。私は、その苦痛に、耐えることではなく苦痛自体に、幸福を感じていたのです。苦痛に耐える者が人生の王者になる、という言葉は、きっと、いえ、断言しても構わないのですが、苦痛に耐えられた事を、神に感謝することが出来るならば、であると、私は信じています。私は、違うのです。苦痛を感じられること、悲鳴とともに目覚められること……。今思えば、私はもう、そのときから狂いきっていた、薄汚れた、穢れた白百合……いえ、もはや白百合などではなく、どんな雑草よりも劣る、本物の気狂いでした。私という個人(Person)が、仮面(ペルソナ)によって形作られていたのと、同様に。

 私は仮面を被り続けました。あの夢は、毎晩、という物では段々と無くなり、それどころか忘れた頃にやってくる、ということさえありました。しかしその鮮やかで、常に新しい恐怖は、反比例するかのごとく、私の全身に、私の精神に、鮮明な刻印を打ち続けました。

 しかしそれでも、いえ、だからこそ、私は、その夢の度に安堵を覚えずにはいられなかったのです。ああ、きちんと怖い、と。私はまだ正常を、仮面としてでも被っていられる、と。

 何が正しくて、何が間違っていたのか。そんなことは、今でこそ分かるものの、その当時の私には、ただただ、彼を求めることが、求めてしまうことが悪いのだ、そう思っていました。しかし求めずには、いられませんでした。

 学校では、彼のいない場所というのを、段々と覚えていきました。その場所で昼食を摂り、その場所で井畑さんや西野先輩と語らいました。しかし、彼が来る、そんな予感がかすかにでもすると、私から率先して、場所を変えることさえある始末でした。絶対に、あの夢を、現実にするわけには、いきませんでした。

 季節は移ろいました。空が高くなり、木々が色づき、やがて息に白い物が混じるようになり、再び桜の季節を迎え、花は散り、あのむっとした熱気がやってきて、また空が高くなりました。

 その頃から私は、フェアリィとともに、どの大学に通うか、相談を開始するようになっていました。

 地元の地方都市には、幸いなことに、郊外に外大がありました。私に『生活力』などというものはどだいあり得る筈もなく、私に出来る最低限の家事は、己の部屋を清潔に保つことぐらいでした。自宅には、メイドが物心着いた頃からずっとおりましたし、英国での寮生活でも、寮母の老女に頼りながら、全くおぼつかない調子でかろうじて洗濯が出来た、夏の長期休みでは、ほぼ常に外食をする、という有様だったのですから。辛くも自分で出来る自分のことと言えば、掃除と、洗濯と、それから珈琲を点てる事くらいでした。

 ですので、親元を離れず、つまり使用人がいる自宅から通える範囲内に、もしかしたらフェアリィと共に通えるかもしれない大学があること、それは大層に有り難いことでした。いえ、親に何も言わず、ただ、たとえば東京や大阪で学業のために一人暮らしをしたい旨だけを伝えれば、親の方も何も言わず、その新しい家に、使用人を付けてくれたこともまた、間違いないのですが、しかし英国という遠くの遠くにいた私が綴ったところで何の力も持たないことは自覚しておりますが、この土地を離れたくない、フェアリィにこの町を知って欲しい、という欲求も、またありました。

 妙な物です。本当に、奇妙な物です。彼と離れるには、東京に出、家族が出してくれるであろう使いの者、フェアリィ、そして私、この三人で暮らす事こそが、最善であったでしょうに。それとも私は、彼を諦め切れていなかったのでしょうか。彼から、もう一度一輪の花を託されたいと、心のどこかで願っていたのでしょうか。

 気狂いの心は、気狂いにも、分かりません。

 もし仮にそう望んでいたとしても、私にそれを受け取る資格などなく、そして彼だって、私のことなど、遠い思い出の彼方に忘却しているに違いなかったでしょうに。

 運命だと呪うことは、恐ろしいまでに簡単です。しかし、私はそれには断じて首を縦に振ることはできません。必定のノーであると、心の底から叫べます。今こうやって、こうしているのは、己の浅はかさと、己の蒙昧さが招いた、罰なのだと。己が招いたものなのだ、と。

 私達二人は、元々長話をするような仲ではありませんでした。しかし、所謂進路の事となると、お互い、その無口さを忘れたかのような雄弁さで、二人の未来を、グラスゴーとこの日本の地方都市との間の国際電話で、延々と二人で相談し合っていました。フェアリィの、日本語の上達速度は恐ろしいまでに早く、たったの二年足らずで、ああ、スコットランド人なのだ、と分かるのは、偶に入る日本語にはないはずのアクセントしか無くなっていました。ですので、国際電話では、二人して日本語で話し、お互い(であると、私は信じています)が分からないであろう微妙なニュアンスについては英語で補完する、という具合で、相談が行われました。

「やっぱり、リリウムの故郷が見たい。私のスコットランドはたくさん知ってもらったから、今度はリリウムの故郷を知りたい。そこの大学で日本の文学を専攻したい」

 彼女の出した結論は、それでした。私はただ、それは良いね、凄く楽しみだよ、とだけお座なりに返し、しかしその内心では嬉しくてたまらなくて、電話を切った後、いてもたってもいられず、自分がぼんやりと描いていただけの夢を克明に見せられたことに大いなる喜びと感謝を感じ、翌朝、受験生として忙しく振る舞っている西野先輩と、私と同じように進路について悩みに悩んでいた井畑さんに、まるで飼い主を数年ぶりに見つけた飼い犬のような喜びの発露を、しました。

 ですが、それなのに。

 その日の夜でした。私は再び、あの夢を見ました。

 悲鳴と共に目覚め、涙が後から後から流れ出しました。

 何故? あんなに幸せな事があったのに、あんなに幸福な決定が下った直後なのに、何故私はまたもや彼を殺したの? これで何度私は彼を殺したの?

 お赦しください、聖母マリアよ、この哀れな、穢れた花をお赦しください。

 いえ、赦されなくても構いません、お願いです、この夢を、現実にしないで下さい。

 どうか、どうか。彼を殺させないで下さい。その為なら、哀れな穢れた花の命など擲っても構いません。どうか、どうか……。お赦し下さい、現実にさせないで下さい。

 祈りに願いが混じったのは、それが最初の事でした。

 死神の足音も、告死天使の歌声も、ありませんでした。

 今では、その理由が、はっきりと分かります。


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