彼女の正体をあいつは知らなかったから…(200文字小説)
あいつは知らなかったんだ…。
「あいつ嫌い」
彼女が僕に愚痴る。
あいつはいつも彼女に嫌がらせをする。
「やめさせて」
彼女は僕に懇願する。
「一応、注意はしておくよ」
「あの子にちょっかい出すのはよせ」
「お前には関係ないだろう」
まあ、そうだけど…。
「どうなっても知らないぞ」
あいつはやめなかった。
「消す!」
とうとう彼女がキレた。
それ以来あいつを見た者は居ない。
あいつは知らなかったんだ。
彼女が死神だということを。