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Dragon Holy war 〜黒の傭兵と竜の巫女〜  作者: 笹みりん
第1章 始まりの物語
17/30

17話 枯れた湖と奪う者たち

 村長に教えてもらった道を行きブローグル湖に着くとそこは水が枯れ、湖と知ってないとただのぽっかりと大きくあいた穴でしかなかった。

 「ねぇここがブローグル湖なの?」

 「多分、間違いない」

 水のエレメントの気配がない以上確信的なことは言えないがこの大きく空いた穴、ここが元はブローグル湖だった場所なんだろう。

 「ジャックあれ見て」

 サラの指差した方をよく見ると、湖の反対側の地面に何かを引きずったような跡があり更に森の中へ続いていた。

 「危険だが湖が枯れた原因を知るには行くしかなさそうだな」

 跡を辿っていくとすこし先に開けた場所が見え、数人が何か話をしている。

 「揉め事か?」

 「みたいだね、どうするの?」

 見た感じかなり揉めている。

 仲間割れもあるかもしれない、戦う相手は少ないほうがいい今は様子を見たほうがよさそうだ。

 「サラ、このまま様子を見」

 パキッ

 下を見るとサラが枝を踏んでいた。

 「誰だっ!」

 揉めていた連中がこちらに近づいてくる。

 運良く気づかれなかったとはいかないもんだ。

 「すいません、道に迷ってしまったのでお聞きしようと思って」

 うまくいくかは分からないが、愛想笑いしながら立ち上がる。

 「道に迷ったぁ?聞きたいだぁ?こっちはそれどころじゃあねぇんだぞ」

 一番大柄な男がズイッと前に出てきた。

 「そうだぜ、こっちは湖の水が枯れちまって困ってるとこなん」

 「おい、勝手にベラベラ言うんじゃねぇ!」

 ボスとみられる男が小柄な男を殴り倒す。

 「兄ちゃんよぉ、どうみても道に迷った旅人には見えんのだがよぉ。何が目的だ?」

 どうやら子分の目は誤魔化せてもボスの目は誤魔化せないみたいだ。

 「湖の水をどうする気だ?」

 急に襲ってこられても大丈夫なよう剣に手をかける。

 「なーるほどな、あの村から頼まれてってわけか。どうするもこうするも教えるわけねぇだろ」

 ボスの後ろにいた大柄な男が前に出て斧を振り下ろす。

 「まずはこいつを倒せってことか」

 剣を抜き横にし斧を抑える。

 「剣ごと真っ二つにしてやるぜぇ」

 「それはどうかな」

 炎が剣から斧を伝い大柄な男を包み込む。

 「ぐぇええ…こ、こいつマジで…熱いーー!!」

 奥にあるわずかに水が溜まった場所へ逃げ出す。

 それを見た他の子分たちは荷馬車の後ろに一斉に隠れ出した。

 「バカかてめぇらは!ちょっとすげーの見せられただけで逃げるんじゃねぇ!!」

 ボスが荷馬車の後ろにいる子分たちに怒鳴り散らす。

 「だってよぉーボス、俺らはここの水が高値で売れるからそれで億万長者になるって話で来ただけですぜ。流石に戦って死ぬかもしれねぇのはゴメンだ」

 「この意気地なしが!」

 どうやら子分たちは戦う気はないみたいだ。

 「なぁ、他の奴らは戦わないみたいだが、あんたはどうすんだ?」

 問いかけにたいし剣を抜き

 「一対一で勝負にしようぜ」

 と返してきた。

 子分たちが戦う気がなかったからなのか不機嫌な顔をしている。

 「一対一ならやりやすい」

 サラに後ろに行くように声をかけ剣を構えた。


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