10話 ファイトオークション 3
周りを雷が囲ったと同時にジャックの体に強い電流が走る。
「ぐああああああああああああああああ!!!!」
「ジャック!!!」
サラが叫ぶ。
「ちょっとドルフィノ選手、その技はダメだと」
司会も慌てて止めに入る。
「ハッ、わーったよ」
雷が消えジャックが地面に倒れた。
「おいおい、動かねぇが死んじまったか?期待はずれだったな」
「おい、司会者さんよ。こりゃ俺の勝利確定だr」
「それはどうかな?」
身体中傷や血だらけだがジャックはしっかりと立ち上がった。
「俺はこんな所で死ぬわけにはいかないんだ」
「ほぉ、あの技を受けて死なねぇどころか立ち上がるとはスゲェじゃねぇか」
「あぁ、俺自身もびっくりしてるとこだ」
「んじゃ、続きといこうぜ。その体でどこまで戦えるのかは知らんがな」
「トネールベイル」
ドルフィノの斧を雷が包む。
「フレイムズワールト」
ジャックの剣を炎が包む。
「真っ向勝負といこうぜ!」
同時に武器を構え相手めがけ走り出した。
ガキキキキキキキーーン
武器同士がぶつかる凄まじい音がした後、会場は前が見えないほどの煙に覆われた。
煙が晴れるとドルフィノは地面に倒れ、ジャックは片膝をついていた。
「「うおおおおおおおお!!!」」
会場は驚きと歓喜の声で溢れ、踊り出すものまで現れるなどとんでもないことになった。
「くっそ俺が負けるとは」
ドルフィノは地面に倒れたままジャックの方を悔しそうに見ながら呟いた。
「こっ、これはなんと勝者ジャック・ハザード!」
「「うおおおおおおおお!」」
勝利宣言が入ると会場はより一層盛り上がりを見せる。
「それでは勝者のジャックさんは別室で落札取引をしていただきます」
ー1時間後
無事落札取引を終え、ペンダントを取り戻した。
会場をでるとサラが駆け寄ってきて
「ジャック!優勝おめでとう!」
と笑顔でしがみついてきた。
「ありがとう。で、サラこれもう盗られるなよ」
ペンダントをサラに渡す。
「ありがとう。これで助けた恩返してもらっちゃったね」
「そうだな、でも護衛は続けるぞ」
サラの落ち込んだ顔がパッと明るくなる。
「本当にいいの?」
「あぁ、そもそも俺記憶ないから帰るとこも分からないし、それにサラについてった方が何かわかる気がするんだ」
「嬉しいな、ジャックと旅を続けられるなんて、ジャックも早く記憶戻るといいね。私も何か手がかりがないか頑張るよ」
両手の拳をつきあげすっかり張り切りモードだ。
「あっ!言い忘れるとこだった。あのね例の酒場のマスターさんが優勝祝いをするから酒場に来いだって」
「そうか、じゃっ行くか」




