表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

  03-本当に口

「ユキオって言うな! お前だってユキオだろっ!」


オレは、声のボリュームに気を使いながら叱ると、ベッドの目覚ましを見た。午前一時を過ぎている。


「もうこんな時間だし、明日でいいだろ、オヤジが寝てるんだし無理だって」


「ヤダ! 気持ち悪い! 絶対入る!

お父様は今、ゾンビの夢見てるから大丈夫だよ」


「それって、すぐに起きそうじゃないかっ!」


「だって、楽しそうにデートしてるよぉ」


「どんな夢だよ! 明日の朝、オヤジが出かけてからなら、誰もいないから、それでいいだろ?」


「ヤダッ!たらヤダ!」


(ユキちゃん、一晩ぐらいガマンしてよ)三奈美もなだめる。


「ヤダッ、お姉ぇーちゃんといっしょに入る」


オレの頭の中で、素早く三奈美の裸が描かれた。


(ゴメンね…… アタシの胸、そんなに大きくないから)


「ユキオ~、スケベェ~、お姉ぇーちゃんの顔から下が、さっき見た写真と同じだぞ!」


「何だよ、子供がそんなモン見ちゃダメだろ」


「ナニ言ってんだよ!ユキオが見せたんだろっ!」


「オマエ、可愛くないな」


「オマエは可愛いな、顔真っ赤だぞっ!」


(エッチなコトくらい、べつに恥ずかしがらなくてもイイのに、それが普通だし、そーゆーのにアタシたち慣れちゃってるしね)


「オマエも慣れてるの?」小さいのに聞いてみた。


「当然でしょっ、大人ですから」


「どう見てもガキだろ!」


「オマエよりくわしいよ」


「それは問題アリだろ」


(まあね、アタシたちはどうしても、よけいな情報が入ってきちゃうからね、でもユキちゃんだって春からは中学だしね)


「ウソっ!……」せいぜい二三年生くらいと思っていた。


「失礼ねっ!レディーに向かって……

でもお風呂を使わせてくれたら許してあげる」


「オマエはベビーだろ」


「ユキオなんかチェリーだろ!」中身は早熟なのだろうが、実年齢より幼く見える少女に、実際言葉にされるとこたえた。


「分かったっ! 分かったから、女の子がそういうのはヤメような。レディーはそんなコト言わないぞ」


(ユキ、言いすぎだよ、お行儀悪いぞぉ! いくらホントのコトでも……

幸男君も悩まないでね、アタシだってバージンだし)


「キミもそういうコト言わない!」


(言ってないって、心に思っただけだからセーフだね。

それと、そろそろキミじゃなくて名前で呼んでくれない?)


「じゃ、波多さん」呼び方を変えるタイミングは、相手が男でも気を使う。


(波多さんじゃなくて、ミ、ナ、ミ!)


「じゃあ三奈美さん」


(さんいらない!)


「えーと、それならキミも呼び捨てでイイよ、このチビ、じゃなくてレディーもそうしてるし」


(まだキミって言ってる。次からはちゃんと呼んでね)


「うん、次から」


「ハッキリしろよユキオーっ、そんなんじゃモテないぞ!」このレディーは本当に口が悪い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ