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あんずの木の下  作者: 東條 瑛梨
第一部
8/9

お着替え

 …ま、まぶしいなあ…って朝か…起きなきゃ…だって今日はお城に行く日!二度寝なんてしたらおいて行かれちゃう!


「あきちゃん、おはよっ!」

「おはようございます、咲さん。」


 …おお、朝早くなのに、あきちゃんはピシッと着物着てる…さすがです。


「それは余所行きの着物?いつも着てるやつよりおしゃれだね!」

「ええ、お殿様の前で粗末な恰好ではいられないですもの…もちろん、咲さんにもいつもより品のいい着物を着ていただきますよ!昨日の晩、咲さんに着ていただくお着物を選んでましたの!…咲さんのお気に召すといいのですけど…」


_______________


「…似合うかな?」

「ええ!私の目は確かだったようですね!」


 あきちゃんの部屋に移動して、いつものように着物を着せてもらった。今着ているのは、薄い桃色の着物。花の模様がたくさんちりばめられている。


「最初見たときは、ちょっと私には派手かも…って思ったけど、着てみるといい感じね!」

「咲さんはお顔立ちがはっきりしているから、少々大きい模様のお着物をきても柄に負けないと思いましたの!素敵です。」


「ああ、よく似合ってるとおもうよ。」


 あ、高久さんだ。


「…旦那様、女性のお着替え途中にお部屋に入ってくるなんて…」

「あ、これは失礼。でも、よく似合ってる。うん。」

「あ、ありがとうございます…。」


 男の人に面と向かって褒められるのって、慣れてないっていうか、調子狂うなあ…でも、嬉しい!


「咲」

「は、はい。」

「…秀人、顔を出してくれる?」

「はいよ、旦那。」


 高久さんの隣に現れたのは…なんかちゃらそうな人。


「…秀人だ。いつも俺の護衛でつけている忍。今日も城へついてきてもらう。まあ、何もないと思うけど、城内でなにかあったら、こいつが助けてくれるかもしれないから、覚えておいて。」

「よろしくね、咲ちゃん♪何かあったら旦那なんかほっといて、咲ちゃんを一番に助けるからね♪」


 …やっぱりちゃらかった。


「…まあ、それが正しい判断だろうな。俺はすぐにはやられないから。」


 高久さんって、強い人なのかな。見た目にはそこまで強そうには見えないけど…どっちかというと、頭脳派ってイメージ。


「…咲ちゃん、今旦那ってそんなに強い人なのかな…とか考えてたでしょー。」


 …ギクリ。なんでわかるのよーっ!


「…ほんとはこわーいこわーい人なんだよ、旦那は。…って、赤くなっちゃって、咲ちゃんかわいいなー♪」


 み、耳元でささやかれたらそりゃ赤くもなるでしょうよ!…秀人さんって…ちゃらい…ちゃらさ極めてる…


「…秀人、その辺にしてやりな。…じゃ、門の前でまってるから準備してきてね、あきも咲も。」

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