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「なあ」
「…………」
「なあっ!」
「駄目」
「ここ俺んちなんだけど!」
「住める状態に戻してやったのは俺だよ」
「頼んでないし!」
勝手に押し付けるな、って続けようとしたらいきなりポカって頭をたたかれた。
「なにすんだよ!」
「…………」
「無視すんな!」
「…………」
こ、このぉ~っ!
あったまに来たので思わず手に持ってたモノを投げつけて、階段へ走り出す。
「貴夜のわかどしよりー!」
「っ待てコラ莫迦奈鶴ー!!」
よくわからない色に染まった雑巾を被ってユラーっと立ち上がった貴夜があんまり不気味だったから、俺は死に物狂いでそこから逃げ出した。
2007/08/07