第20話:カフェ店員、美術館長に感謝する(Side:セシル①)
美術館でカフェ"チル・アート"を開店してから、あっという間に一週間ほどが過ぎた。
店長は私。
いつか自分のお店を開きたいと願っていたけど、こんなに早く叶うなんて思わなかった。
最初はお客さんが来てくれるか不安だったものの……。
「……はい、二名様ですね、少々お待ちください。次の方、どうぞ~!」
厨房からは、ミオちゃんに連れられ三人の家族連れが入る様子が見えた。
ありがたいことに、席は満席に近い大盛況の日々だ。
食事した来館者が街で口コミを広げてくれているそうで、連日新しい人が美術館と"チル・アート"を訪れた。
みなさんはカフェの食事がとてもおいしいと言ってくれ、私は日々やりがいを感じている。
私は調理を行い、配膳やお会計は主にフォキシーとミオさんが担当してくれていた。
ミオさんがうまく店内に案内するお客さんの数をコントロールしてくれるので、パンクしないで済んでいた。
お客さんは良い人ばかりで、みんながいつもいる受付にも近いから安心できる。
自分が作った料理を楽しんでもらえるのはとても嬉しい。
なんだか、私まで世の中に認められたような気持ちだった。
私がミルフォードのあのカフェで働いていなければ、ミオさんに出会わなければ、この時間はなかったのだと考えると不思議な気分になる。
トラブルは怖かったけど、今はもう気持ちも落ち着いた。
仮に、また似たようなトラブルが起きても、私一人で対応できると思う。
あのときのミオちゃんは毅然としていて、本当にカッコよかった。
いつか、私も彼女みたいに芯の強い女性になりたいと感じた。
ミオちゃんは16才と聞いたけど、もっと年上な気がする。
時折お母さんみたいというか……人生経験の豊富さを感じるのだ。
もしかしたら、美術館を開く前に何か大変な仕事をしていたのかもしれない。
「すみませーん、注文お願いできますかー?」
「はい、今行きます」
お客さんに呼ばれ窓際のテーブルに向かう。
これからも頑張ろうと思う私を応援するように、柔らかな陽光が差し込んでいた。
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