表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者が集まれば…無敵公爵家が出来上がるまで  作者: ハシドイ リラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/25

5.エリーゼの活躍 その2

「えっ!卵の駆除のこと、鼻で笑われた⁈」


「そうなのよ。お父さまがね、成虫駆除の時と同じように説明したの。けど、今度はほとんどのところが難色を示して。」


なんてことだ。卵の駆除をしなければ来年にも同じ被害が起きるというのに。


「でもねぇ、いくつかの領は実践してくれたのよ。」


「しかも、我が家の駆除方法よりも綿密な方法でな。」


「グアイフェニシン伯爵とその縁戚の方達だよ。それでね、少し思うことがあって2人を呼んだんだ。」


「ねぇエリーゼ。貴方には未来が見えるのかしら?」


※※※※※※


「お父さまとお母さまは、今まで知らないふりをしてきたけど。そろそろはっきりさせないと」

お父さまが後を継いで語りかける。

「それに、お前も知っているんだろう?ナミビール。」


「…はい。ただ、どうするのがエリーゼにとって一番良いのか分からなくて。どれだけ領のため、国のためになったとしてもそれがエリーゼの幸せに繋がらないなら黙っておくのが1番だと考えました。」


申し訳ありません、と素直にお兄さまは頭を下げた。


「まったくもう!私たちだってエリーゼが一番に決まっているでしょう!」


お母さまはプンプンしているけれども、知る人は少なければ少ないほどいい。


「お母さま、黙っていて申し訳ありません。…けど、お父様とお母さまに話してしまうと…」


俯いてしまう。


「話してしまうと?」


お母さまが優しく続きを促してくれる。


「もし。…もし私が解決の糸口を持っていると知ったら。」


そう。黙っていれば国に仇なすことになる。


「それが分かっていても、私の為にならないと思ったらお父さまもお母さまも沈黙を選ぶでしょう?」


そうだ、それがお兄さまと私の決めたこと。

私たち2人ならいくらでも言い訳は立つ。子供だから、どれだけ重要か分からなかった、怖くて誰にも言えなかった。

でも大人は違う。かならず責め立てられる。

だから言えなかったのだ。


「もう!それこそちゃんと言わなきゃ。いくつでも方法はあるのよ!」


お兄さまも私も緊張の糸が途切れて大泣きしてしまった。だって前世の記憶があろうが、頼れるお兄さまだろうが、私たちはまだほんの子供なのだから。


「それで話は戻すが、グアイフェニシン伯爵のことだ。この度のバッタの大群への対処方法で話をする機会があったんだ。この対処方法は誰が考えたんですか?ってね。」


「もちろんエリーゼのひらめきだなんて言ってない。ただ、誤魔化し切るのも難しかったから、子供達が倉庫を探検していて昔の領主の日記を見つけたって。その中に以前のバッタ被害とその時の対処方法があった事にしておいたよ。」


「伯爵もそれで納得してくれたと思ってたんだけどね。つい先日卵の話をした時のことなんだ。」


※※※※※※


バッタ対策について話し合っていた際、ふと外を見ると大粒の雨が降ってきた。そのとき。


"あめあめふれふれもっとふれー"


突然グアイフェニシン伯爵が口ずさみ始めた。この歌は…エリーゼが幼い頃、誰に聞いたわけでもなく口ずさんでいた歌。我が家の周りでこのような歌が流行ったというのは聞いたことがなく、不思議だと思っていた。


「その歌…。」


そう、ついうっかり反応してしまったのだ。

その時グアイフェニシン伯爵の眼が光ったような気がした。


「お、ご存知でしたか?あまり知られていない昔の歌なんですが、よくご存知でしたね。」


少しばかり眼が泳いでしまったのは仕方がないと思う。


「あ、いえなんだか懐かしいメロディだな、と思った程度なんですよ。どこかで聞いたような。」


「ああそうでしたか。…もしかしたら先日おっしゃっていた、昔の領主の日記にでも載っていたのかもしれませんね。」


その場はそれだけで済んだのだ。

だが、それから伯爵と話す機会は増えて何かと親しくするようになってしまった。

そんな時だった。伯爵から思わぬプレゼントを貰ったのだ。


「子供達に…ですか?」


「はい。以前探検していて昔の領主の日記を見つけたとおっしゃっていたのを思い出して。これは古いものではないんですが、謎解きが好きな知り合いが自分の子供の為に作ったものなんですよ。」


どこの国だか想像もつかない文字らしきものが書かれた絵本を渡された。

なんだか他意を感じなくはないけど、断るほどの事でもあるまい。


「ほう。これは…文字?ですかな。この文字らしきものも創作されたんですか?お子さんのためとはいえとても凝っていますね。」


「ええ。創造性を養うため、という事らしいですよ。考古学の延長みたいなものだとか。」


「確かに子供は喜んで飛びつきそうですなぁ。知らないうちに探検に出られて肝を冷やした事もありますからな。これなら家の中で大人しく楽しんでくれそうだ。いやはやこれは貴重なものをありがとうございます。」


※※※※※※


「これがその絵本だ。」


お父さまが私たちの前に一冊の手作りらしい本を差し出した。…表紙を見ただけで私は目を見開いてしまった。


表紙にはこう書かれていた。



"この文字が読めた君へ。周囲には読めることを知られてはいけないよ。無邪気に読んでみたい!とお願いするんだ。そして1人になったことを確認してから読みなさい。"



…日本語で。


本日はここまで。明日以降また順次投稿していきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ