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転生者が集まれば…無敵公爵家が出来上がるまで  作者: ハシドイ リラ


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21.みじめで恥ずかしくて辞退するのは?

本日2話目です!

20→21→22と投稿していきますので、お読みになる前に番号で確認お願いします!

「"絶望的に相性が合わない"そう言って、君の家からの縁談を2回も断った。それでもまだ伝わらないのか。お父上は一体何を考えているのやら。」


絶望的に?相性が?


「なにそれ!聞いていませんわ!お姉さまが私が格上のお家に嫁ぐのを嫌がって!邪魔をしていたのでしょう?」


「その、君の都合しか反映していない話は誰から聞いたの?父上がおっしゃっていたと言うなら、ウチから抗議させてもらうから。」


やっとのことでキュニエの顔が強張る。


「え、でもテレイオーシス様は私のことを」


「なんとも思っていないよ、というよりもその自己中心的な性格がね、受け付けないんだよ。」


「縁談だってさ、正式な申し入れはもう2回も断ってるの。他にもお父上からや君自身から会うたびに示される好意だって!やんわりと恥をかかせないようにって配慮しながらだけど、毎回断ってたでしょ?それでもまだこれだよ?しつこく言ってればそのうち好きになる?冗談じゃないよ。」


みるみる赤くなっていく顔。ここまで言われてやっと自覚したのか。



「ねぇ、テレイオーシス。やっとはっきり言えてスッキリしたのは良いんだけど、今日はソコがメインじゃないからね。そのくらいで。」


「パトルエリス…殿下。失礼いたしました。続きをお願いします。」


愕然としているであろうキュニエにはまだまだ試練が続くけど、ここでこてんぱんにやっておく事に意味があるんだ。このままだと、被害はエリーゼ嬢だけでは済まない。俺と縁談が持ち上がった、という噂だけでとばっちりを受ける女性が出かねないからな。


「じゃあ改めて。キュニエ侯爵令嬢、君がいう通り"我が校に入学するには学力的に問題がある"人物というのはそれなりにいるんだよ。それもあって今年の学園長の入れ替わりに繋がったんだけどね。」


深く頷くキュニエ。


「じゃあ前年までの学園長が不正を行なっていたかというと、彼の名誉のために言うけどそれは全くない事だ。だけど彼自身は伯爵家の出でね。自分より爵位が上の人間からの圧力を跳ね除けるだけの力がなかったのだよ。それは王家にも相談があったから把握していた。」


「そうなの。彼は学園長としてとても優秀だったんだけどね、厳格に対処したくても力が足りなかった。それで相談を受けた国王が一つのルールを作り出したの。」


寄付金制度。要するにお金で入学を買うってことね。


「まあ、そもそも論だけどさ。侯爵家くらいの高位になってくると、学力が足りずに入学できないなんてことほぼないんだ。幼少期から最高の教育を受けているんだからね、当然と言えば当然だ。けどね、何年かに一度は必ず出てくるんだよ。」



「高位貴族の落としものって呼ばれてる。まあ、それくらいの頻度なら多少のボンクラも受け入れましょう、その代わり高額な寄付金を取って、優秀な低位貴族や平民に出す奨学金に当てて、才能に投資しよう!って。」


「今年の新入生にもいてね、何年ぶりだったかな。通常の試験では突破出来る見込みがなくてね。お父上からかなり早い段階で相談があったんだ。」


「だから高位貴族の方々にとっては、別に違法な手段じゃないんだよ。国王だって」


"ひとりふたりのボンクラが入学してきた所で評判は下がるまい。むしろ奨学金が手厚くなると歓迎するものもおるらしいしな"


「そう言って容認していた。けどね、前学園長にしてみれば精神的負担が大きかったらしくてね。やっぱりそういう生徒はトラブルを起こしがちなんだよ。」


「しかも裕福な低位貴族からも制度を利用したいという圧力が常にあったから、彼はもう限界だ、退任したいとずっと願っていたんだ。」


「今の話で分かったろう?今年の入学生までは現学園長は選考に一切関わってないんだよ。」


ここまでキリア公爵令嬢の補足を入れながら懇切丁寧に説明していた殿下だが、キュニエ嬢に問いかける。


「さて、ここまでの話。君はどう思った?高位貴族による合法的な裏口入学。」


「とんでもないお話だと思います!実力もないのに入学するということは、実力のある誰かの席を奪ったことになりますから。そんな人物は早々に弁えて学園から去るべきだと!」


「キュニエさん、一応お伝えしておくと国王もその点は憂慮なさってるの。だからこの方式を使って入学した場合、定員が1名増えることになっているわ。だからあおりを食らって入学できなかった人はいないの。」


「でも、でも!みじめではないんでしょうか!身分が高いというだけで他の優秀な方々と共に学ぶなんて。」


「みじめか…。君はどう感じているの?」


「えっ、私だったらですか?私だったら…恥ずかしくて入学できたとしても辞退すると思います。」


「ふん、ここまで言っても伝わらないか。」


「殿下、彼女の頭では理解できませんよ。はっきり言って差し上げるのが1番です。」


キリア公爵令嬢と殿下のやり取りを不思議そうに見つめていたが、次の殿下の言葉で徐々に青ざめていった。


「じゃあもっと直接的にね。でも察する力を少しは磨いてほしいな…。そうだ、一問一答にしてみよう。」


「じゃあ一つ目。この制度を利用できるのは?」


「高位貴族の子息です。」


「低位貴族は?」


「寄付をしたとしても制度は利用できません。」


「二つ目。今年は制度の利用者はいるかい?」


「はい。先ほどのお話だと一名いるようです。」


「じゃあ三つ目。今年の入学生で、その条件に当てはまる人は?ヒントとしては、1組は成績優秀者じゃないと入れないから除外。それと、高位貴族の定義は、この場合は侯爵家か公爵家、もしくは近隣諸国の王族ってところかな。」


ここでキュニエの顔色がなくなる。


「こ、今年の入学生では…。わ、私だけ、です。」


「じゃあ最後ね。みじめで恥ずかしくて入学を辞退するべきなのは?」


「わ、私です…。」



消え入りそうな声でキュニエが答えた。

なかなかに苛烈な仕返しにも見えますが、今までやんわり言っても伝わらず、なんならはっきりお断りしたのも流されていたのでここらできっちりシメておくのが彼女のためだろう、という判断です。

テレイオーシスも自分にグイグイ来るだけなら苦々しくも放置の構えでした。が、他の生徒に実害が出ましたから。これはいかん、となったのでした。

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