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転生者が集まれば…無敵公爵家が出来上がるまで  作者: ハシドイ リラ


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23/25

20.火のないところに煙を立てようとした結果

エリーゼ編がまとまりました!この話の後、3話続けて投稿します。ひとつ飛ばすとなんの話??な感じなので、20→21→22の順番でお読みください。

「そう!そうなのよ!彼女は実力もないのに学園長に取り入って無理矢理入学したんですって!ねえ、キュニエ様。」


目を伏せて悪口は言いたくないんだけど、というスタンスを一応取る。


「ええ。できれば同じ学園生なのですから信じて差し上げたかったのです。けれどもわたくし見てしまったのです。彼女が」


少しもったいをつけてから


「彼女が、学園長と抱き合っているところを!」


ええええ!という驚愕の顔が小気味良い。本当は頭を撫でられていただけだったけど、どちらにしても男女の距離としては近すぎんるだもの、誤差の範囲よ、誤差の。


「きっと彼女は学園長に取り入って試験の成績を誤魔化してもらったのよ。そんな嘘つきなのに、テレイオーシス様の前では途端に態度を変えて取り入ろうとしているの!」


「だからわたくし、テレイオーシス様にお伝えしたんです、わたくしが貴方を守って見せるって。」


周囲が驚きに目を開く。お返事は貰えていないけれど、あの時否定もなさらなかったわ。それって暗に認めたって事でしょう?


「テレイオーシス様もきっと私の気持ちに応えてくださるわ。」



「キュニエ・ボスワース侯爵令嬢。あまり勝手に私の気持ちを代弁しないでいただきたいな。」


まあ!とうとうテレイオーシス様がわたくしを迎えに来てくださったのね。やっと思いが通じた…!



「今日は飛びかからないでくれよ、じゃないと…」


まあ!貴方から抱きしめたいということね!いつでもどうぞ!


「なんだか同じ言語で話している気がしない。まあともかく君に、王子殿下からの伝言を伝えに来た。」



「先日の疑義申し立てについての対応が決定したので生徒会室までご足労いただきたいとのことだ。」


ではこれで、あっさりとテレイオーシス様は去っていった。まあいいわ。また放課後に会えるから。



※※※※※※



「ああ、キュニエ…だったっけ?ボスワース侯爵令嬢、呼び出して悪かったね。そこにかけてくれるかい?」


パトルエリス王子に勧められて長机の一番端に座る。そばにはキリア公爵令嬢も控えている。

離れてはいるが、他の生徒会メンバーも室内で待機しているようだ。もちろんテレイオーシス様も。私のことをじっと見つめていらっしゃるわ、ふふ。


「先日の君の疑義申し立てだが、エリーゼ・バーレンスフェルト子爵令嬢からも聞き取りをした結果、事実無根である事が分かった。」


「は?わたくしははっきり見たのです!2人が抱き合っているところを!」


「あのね、先日の申し立ての時にはあなた、こう言っていたわ。」


"ああ、なんて破廉恥な!学園長はとても親しげに、紳士と淑女にあるまじき距離感で!頭を撫でていらっしゃったのですっ!"


「はい!ですから2人は抱き合って」


「何言ってるの?頭を撫でてたんでしょ?」


「あ…で、でも紳士と淑女の距離感としてはどちらも誉められたものではありませんわ。頭を撫でるのも抱き合うのも大した差では…」


「親戚だ。」


「はい?」


「彼らは親戚なんだよ。久しぶりに会ったおじが親戚の子の頭を撫でていたんだ。」


「まあ!親戚だったんですね。どうりで!」


分かってくれて良かったよ、と言おうとした王子に被せるように彼女はこう言った。


「だからあんなに成績面で優遇されていたんですね。納得です。」


すん。生徒会メンバーから表情が消えた。


「殿下、もうこれは生徒同士での解決は不可能でしょう。」


キリア公爵令嬢が表情を消したまま言う。この異常な空気にみんな何も言えない。

いや、彼女は違った。


「そうです!身内だからと言って成績を優遇するなんて!生徒だけで解決するべき問題ではありません!学園長にもしかるべき罰を与えるべきです。もちろんあの田舎者は退学になさりますよね。」



「ねえ、貴方ご存知?」


うわ、殿下の小さい悲鳴が聞こえる。

微笑みながらこのセリフを公爵令嬢が発する時。それは…



「今の学園長はね、今年就任なさったの。元々優秀な方でいらしたんだけど、フィールドワーク最優先の方でね。どれだけ学園からお願いしても良いお返事を頂けなかったのよ。それが今年からなら、ということで引き受けてくださったのよ。」


「じゃあやはり!自分の身内を優遇するために就任する気になったと…」


「あまり人のことを愚弄するんじゃない!彼は長年独身だったが、妻を娶り子供ももうすぐ産まれるということで、一箇所に落ち着いて生活する事になったんだよ。そもそも彼がフィールドワークを終わらせて帰国したのは入学式の2日前だ。それまでは学園に一切関わっていない!」


「殿下、声を荒げるのはどうかと思いますわ。気持ちはよく分かりますけど、彼女の足りない頭ではそんなに難しいこと、処理できるわけないじゃないですか。彼女ができるのなんて、人を妬んで追い落とそうと事実無根の噂を立てることくらいなんですから。」


辛辣な公爵令嬢の言葉にキュニエの頬はかあっと熱くなる。


「いくら公爵令嬢とはいえそんな言い方、酷くないですか!?」


「あら、どの辺が?自分が狙っている男に近づくな、近づいたら分かってるな!なんて脅し。たまたま親戚に頭を撫でられたところを見ただけで不貞やら不正入学やら吹聴して回り。挙げ句の果てに、不貞じゃないって分かったら親戚だから不正に加担したんだろ!ですって?」


「頭が足りない以外になんていえばいいのかしら。」


「キリア様も熱くなりすぎですよ。」


「テレイオーシス様っ!貴方だけは私の味方をして下さると信じていましたっ。」


うるうるとした瞳で見上げたが。そこにあったのはいつもの微笑みではなく、冷たく怖い顔。


テレイオーシス様、なんで?なんでそんなお顔をなさるの?


「君には"やんわり"という相手を気遣うための配慮が伝わらないんだな。やっと分かったよ。」



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