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転生者が集まれば…無敵公爵家が出来上がるまで  作者: ハシドイ リラ


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2.そして物語の始まりへ

ここからしばらくはご先祖さまたちの時代に遡ります。ハヤクローナルくんは…謎解きに必死です。がんばれ!

「ごきげんよう。テルニア・グアイフェネシン伯爵。お会いするのはいつぶりかしら。」



「クリスティーネ様。久しぶりにお目にかかれて光栄です。エピナッチ様とは先月城内でお会いする機会があったのですが、クリスティーネ様とはお暇をいただいて以来でしょうか。」


お元気そうで何よりです、と丁寧に頭を下げてくれる。


彼と話すのは実に8年ぶりだ。正確に言えば夜会などで簡単な挨拶くらいはしている。だが、あれだけ毎日顔を突き合わせて仕事していたことを考えたら会っていないも同然だ。




私は卒業式で学園を揺るがすような大トラブルに巻き込まれてしまった。けれど私には何も傷がつかなかったし、何ならエピナッチという素晴らしい伴侶を得るきっかけにもなったのだから人生何が起こるか分からないものね。

彼、テルニアとの出会いも件の卒業式だった。

大混乱の卒業式。彼はその場で初めてこの大騒動を知ったのだ。にも関わらず、彼はこの大トラブルを好機に変えた。

そう、彼の悩みの種であった婚約を白紙撤回することに成功したのだ。

あの件で評判を落とした者は多い。

あの日、あの瞬間までエステルに寄り添っていた者はそこまで多くなかった。4〜5人といったところかしら。

彼ら彼女らの末路はそこそこ悲惨だった。

テルニアを皮切りに婚約が解消になったり嫡男から外されたり。任官取り消しなんてのもあったか。


なかには婚約解消も任官取り消しも、とにかく何もお咎めがなかった者もいた。とは言え温情でも愛情でもない。単に婚約者ともどもエステルに侍っていただけの話だ。元々三男次女の組み合わせで平民になる予定だった者なので、貴族的な懲罰は意味がなかっただけ。ただ、勤務予定の商会は貴族のツテを期待して雇い入れたわけで。アテが外れた商会での扱いは推して知るべし、である。


とにかく不幸しか生まなかったと言われるような惨憺たる卒業式だったが、私にとっては要らないものが消え、大事なものを手に入れることができた有意義なものだった。口が裂けても人前では言えないけど。



※※※※※※※※


「貴方はどの世代だったの?」


「どの世代…とは?」


「もう!そろそろ私には教えてくれていいんじゃないの?じゃあ先に。私の息子はね、ある日突然」


"ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!"


「って言い出してビックリだったわ。」



ブッ!はっ、しまった!吹き出してしまった。

もうこれではバレたも同然だな…。


"最初に言っておく。俺はかーなーり、強い!"


「私のお気に入りはこのセリフでした。」


ニヤリ。クリスティーネ様が笑う。俺もニヤリと返しておく。

うん、エピナッチ様はぽかーんだけどこの際いいか。


「じゃあやはり、同じ時期に生まれたわけではないようね。」

「そのようですね。どういうサイクルになっているんでしょうか。規則性があるのかも気になりますが。」


「ねえ!何だか僕蚊帳の外で面白くないんだけど!」


エピナッチ様がちょっとむくれてしまった。この方はクリスティーネ様が大好きだからな。ホントに未だにアツアツで羨ましい限りだ。


「あらあらごめんなさい。彼がいつまで経っても明かしてくれないからちょっと笑わせて白状させようとしていたのよ。」


「ふーん。じゃあやはり君だけではなく、生まれる前の記憶のある人は他にもいるってことなんだな。」


「エピナッチ様には説明されているんですね。どこまで話していいか悩んでしまったじゃないですか。」


「僕とクリスティーネの間には秘密なんか何もないんだよ。」


それはそれは。


「もう!エピナッチ、茶化さないで!」


「今からとても大切な話をしないといけないのよ。邪魔するなら外してもらうけど⁈」


ひええ相変わらずお強いなあ。だが、前世に関わることで大切な話とはなんだろう。エピナッチ様には申し訳ないが、話を進めさせてもらおう。



「まあまあ、じゃれあいはそのくらいにしてくださいよ。私はその大事な話が気になって仕方ないんですから。」


じゃれあいなんて!と少しむくれながらも話を戻してくれた。



「あのね、こんなに近い関係でさえ同じような前世の記憶持ちがいるわけ。そして話に聞く限りエステルにも前世があるわ」


えっ!あのエステルにも⁈なんで人生2週目であんな愚かしい事をやらかしたんだよ。ビックリだよ。


「…もっといると思わない?」


ごくり。実は俺もその可能性は考えていた。

すでに何人かそうじゃないのか?と思う人物もいたのだ。

…だが、俺も含めて何故か自ら前世をひけらかすものというのはいない。ん?エステルは?なんで知ってるんだ?


「私もその可能性は考えています。ところでエステルも?何かそんなお話をしたのでしょうか。」



「本人に確認したわけじゃないわ。でもね、あの子しくじり先生に反応したらしいのよ。」


「ああ、そういうことか。それなら確定のようなものですね。本人に聞きに行く予定はないのですか?」


「…エステルよ、あの。今がどうとかじゃないの。あれだけ捻くれてる人の前世なんてロクでもなさそうじゃない。」


心底嫌そうな顔をして否定した。


「彼女が前世がどうとか言って何かやらかしそうだったらその時考えるけど、自分から積極的に関わる気はないの。だって!彼女が前世持ちだったとしても気が合う気がしないもの。」


「確かに。今のところ前世があろうがなかろうが世のためになっている気配はないですからね。…悪影響の気配があれば動くことにしましょう。」


「そうよ。彼女の前世に有益なものは多分見出せないでしょうし。あそこで大人しくしている限りはそれでいいの。それよりも、他の前世持ちと思われる人たちとどう接していくか?よ。それを相談したかったの。」


そしてクリスティーネ様は前世持ちが現れた時にどうするべきか語り始めた。







テルニアがぶほっと吹き出したネタは仮面ライダーです。凡そ年代が特定できてしまうテレビ番組といえば?で思いつきました。


ちなみにウチの息子はコロナ禍にやっていたWOWOWの平成ライダー映画特集のおかげで1号からゼッツまで全変身ポーズ修得済みの希少種です。

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