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転生者が集まれば…無敵公爵家が出来上がるまで  作者: ハシドイ リラ


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18/25

15.初日から平穏な学園生活が絶望的になる

えー。私何にもしてないのにぃ。


エルマーナ先輩の言葉に戸惑っていると、続きを話してくださった。



「頭の出来でお姉様に敵わないのは理解しているのよ、彼女。その上優秀な同級生を射止めて婿養子に迎えたお姉様に、これから勝てるとすれば。」



「もっと優秀な殿方を捕まえるくらいしか、逆転できないと思っているの。」



なるほどね。


「この学園は四年制でしょ?学園内で捕まえようと思えば先輩にあたる上の3学年と同級生、来年度以降入学してくる子たち…3歳年下までってことね。お知り合いになれそうなのはせいぜいこの年代なわけ。その中でお姉様の旦那様に引けを取らない人物なんてそんなにいないのよ。私たちの学年には公爵令息がひとりいらっしゃるけどあの方は、ねえ。」


公爵令息なんてうってつけではないの?


「でも、公爵令息なら誰もが羨む相手なんじゃないですか?」


「そうね、でも婚姻後はかなり遠方の領地で暮らすことになるのよ。そんなことになったら、いくら誰もが羨ましい相手でも。」


「お姉様を見下す機会が少なくなるでしょ。」


うわあそんな理由なのか。


「でね、王子殿下はすでに婚約済みだから、次に誰からも羨ましがられる良縁ってなるとテレイオーシス様なのよ。」


「なるほど、そういうことだったんですね。」


絡まれた理由はよく分かった。分かったけど、やっぱり解せん!


「んー先輩。もしそうだとしてもやっぱり納得できません!私テレイオーシスさまとは先ほど初めてお会いしたんですよ?全くの無関係じゃないですか!」


「それがねぇ…」


なんと、テレイオーシス様は2年前の入学後、同級生を対象に侯爵家に入るに相応しい相手を吟味していたのだとか。

ただ、家格と相性が合う相手というのはなかなか難しくて、では来年の生徒まで持ち越しましょう、となり。一学年下に期待をかけたがやはり空振り。そして今年こそは、と周囲も本人も張り切っているって噂なのだそう。


「それって私たちの代から選ばれるかもしれないと言う事ですか!?」


「そういうこと。だからすでに成績上位者として名前が知られている貴方に釘を刺しに来たんでしょうね。」


ええーやっぱりとばっちりい!


「そして残念ながら…今の話を聞いている限り、彼女はテレイオーシス様が貴方を気にかけていると思ったでしょうから。」


気の毒そうな顔で宣言された。



「平穏な学園生活は難しいかもね。」


がーん!本日初めての登校だったのに!もう平穏じゃない学園生活が決定してしまった。


そんな私を哀れに思ったのか、エルマーナ先輩がこう言ってくれた。



「そんなに落ち込まないで!私も学園内で目を配るようにしておくから!」


持つべきものは面倒見の良い先輩です!ううう。



「まあ、学年が違うし、子爵令嬢だし、そんなに助けになるとも思えないけど…」


小さな声で先輩がブツブツ言っていたのは聞かなかったことにする!




※※※※※※



「えっ!今日って初日でしょ?もうトラブルを起こしたの?!」


我が妹ながら嘆かわしい。

妹のキュニエはとても美しい。そして跡取り娘として育てられたわたくしとは違い、とても自由な環境で過ごしてきた。侯爵令嬢として傅かれ、誰にも否定されず、好きな時に好きなことを。

故に自己肯定感のとんでもなく高い娘になってしまった。


「子爵令嬢に絡みに行った?あの子らしくないわね。普段なら子爵令嬢なんて歯牙にも掛けないでしょうに。」


夫となったかつての同級生、リュシアーニが顔を曇らせた。


「そうなんだよ。だから俺もおかしいと思ってすぐに調べさせたんだ。そしたらその子爵令嬢ってさ。」


なるほど、バーレンスフェルト家のお嬢さんね。これまた厄介な所に手を出してくれたわね。


「あの娘、まだテレイオーシス様との縁を諦めてなかったのね。もう断られたと何回言えば納得するのかしら。」


ため息混じりの私の声にため息で返事が返ってくる。


「そうみたいだよ。僕を超えるような男じゃないと意味がないんだ!って義母上に怒鳴ってるの聞いたことある。」


「えーっと、今のはさらっとした自慢かしら?侯爵家の次男坊で婿入り大歓迎、嫁取りになるなら伯爵の爵位を貰える、学業成績優秀、おまけに次期国王の最側近。」


「うわあ!何その"私の考えた理想の旦那様"みたいな経歴。そんな人存在するのー??って俺のことか。」


リュシアーニがニヤニヤしている。


「冗談はそれくらいでいいわよ。でも困ったわねぇ。女性侯爵の先輩ってことで何かと気にかけて頂いているクリスティーネ様に申し訳が立たないわ。」


「確かに。義父上は諌めてくれないの?一度ならず二度もはっきり断られてるのに付き纏いなんて。」


「あの人はなぁ…」





「おお、そうかそうか。テレイオーシス様はお前のことを覚えてくださっていたのか。」


「そうなの!たまにお家で私の話が出るんですって!」


〜〜回想〜〜

「ああ、確かボスワース侯爵家のご令嬢だったかな?()()()()()()()()()()()()()()()からうろ覚えでごめんね。」

<12.エリーゼの災難より抜粋>

"()()()()()()()()()()"の上位互換は"()()()()()()()"ということだと考えているようです。ポジティブ!

〜〜回想終わり〜〜


「そうかそうか。それはよかったなあ。お前の気持ちが少しは伝わったかもしれないなぁ。」


そんな訳あるかい!と内心突っ込む父だが、嬉しそうにそう語る愛娘を無碍に否定するのは憚られた。こうやって親子でヨシヨシしている分には誰にも迷惑かけないだろう、という甘い見込みのもと。


だから愛娘が、姉へのライバル心を拗らせた結果とんでもない方向に爆走していることに気付くのが遅くなってしまったのだった。




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