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転生者が集まれば…無敵公爵家が出来上がるまで  作者: ハシドイ リラ


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14.kwaidan〜世にも恐ろしい話〜

死屍累々。寮の交流室のソファには令嬢たちが無惨な姿で…おっとごめんなさい。大袈裟だったわ。

でも、そんな冗談を言いたくなるくらい、みんな恐怖を感じていたの。


「さっきね、高位のご令嬢とその取り巻きに話しかけられたの。話しかけられたって言うか…」


「ううう、その時は私達も見ていたの。あれは話しかけられたんじゃないわ。」


「うん、あれは。」



「因縁つけられたのよ!!」

「因縁よ!あんなの!」


アミークスとフィロスの2人が叫ぶ。確かにあれは因縁だったな、うん。


「2人はいいよねー。その時固まったけど、拉致はされなかったもんねえ。」


冗談のつもりだったけど、すごく気まずそうな2人にちょっとやり過ぎたなあと反省。よし、ここからは少し面白おかしく話そうかな。


「ごめんごめん。あんな怖い人私だって初めて見たもん!動けなくなって当たり前だよね。」


2人とも涙目だ。ホントにいい奴なんだから!


「ごめんねえ…助けたかったんだけど、侯爵令嬢なんて初めて見たから!」

「それもだし、あんなに"田舎者"とか面と向かって悪口言う人も初めて見たの!」


2人の激白にみんな口を押さえて震えている。


「でもね、そこに助けに入ってくれたのが、カルボシス侯爵令息のテレイオーシスさまだったのよ。」


きゃあ!と話を聞いていた子達から歓声が上がる。


「でもこれがまた怖くてさ。…その高位のご令嬢がさっきまでの怖い顔から一転して」


フィロスが身震いしている。


「テレイオーシスさまにぴったりくっついて愛想を振りまき始めたの!」


アミークスはその時の事を思い出したのか、ぶるぶる震えている。


「ひいい!人が入れ替わったあ!って慄いてね、そこからあんまり記憶がないんだ、私たち。だってついさっきまで」


「眉毛吊り上げて怒ってた人が"やーん名前を覚えてくださってたんですねぇ"とか言ってクネクネし始めたんだもの。」


ひっ!という小さな悲鳴が黙って聞いていた寮生の間から漏れた。


あれは流石に怖かったなぁ。私は2人に比べたら前世の記憶もあるし、クリスティーネさまやテルニアさまとのやり取りもあるから多少免疫はあるはずなんだけど。あそこまで来たらもう、ちょっとしたホラーよ。ホラー。


「でも、それがなんで拉致に繋がるの?」


「ああ、それはね…」



パタン。ドアの開く音にきゃああ!という悲鳴が響き渡った。

するとため息と共にドアから入ってきたのは


「あ!エルマーナ先輩!」


上級生のエルマーナ先輩だった。

ほっとしたのも束の間、呆れた声でエルマーナ先輩がこう言った。


「何を騒いでいるのかと思ったら。あのねえ、貴方たち。確かになかなかあることじゃないけど、どんなに目上の人であろうと、これから机を並べて勉強していくのよ。もちろん礼儀と相手を敬う気持ちは必要だけど、会話しただけで怪談扱いとか。これから学園内でお会いすることだってあるのにそんなんじゃやってけないわよ。」



「だ、だって!ボスワース侯爵令嬢に因縁つけられて!」


「助けてもらったと思ったらカルボシス侯爵令息に拉致されていったんですよ!」


アミークスとフィロスが抗議してくれるが、エルマーナ先輩の言うことも一理あるわけで。それでもエルマーナ先輩はそこまでの面子だったとは思っていなかったみたいで。


「おっと、思いの外ビッグネームばっかりだった。ボスワース侯爵令嬢かあ。あの子は今年の入学生のはずなのに、もうすでに要注意人物なのよねえ。…それは恐ろしかったわね。ごめんね、ちょっとキツかったかな。」


と、謝ってくださった。


「いいえ、そんなことないです!先輩の言う通り、これから全く関わらずに学園生活できるわけじゃないですから。」


「そうね、確かに関わらないのは無理ね。良かったら私も聞きたいから話に入っていいかしら?」


「じゃあ私たちも!」


エルマーナ先輩だけでなく、他の上級生も輪に入ってきた。


私は茶化すのをやめて、エルマーナ先輩を始め、心配して集まってくれた寮生に詳細を話したのだった。



※※※※※※


「ええっ!じゃあ絵本コンテストってエリーゼが始めたの?」


「違う、違う!始めたのはクリスティーネさま、カルボシス侯爵ね、それとグアイフェニシン伯爵よ。最初に絵本を見せていただいたのが私で、他の子がどんなお話しを作るのか気になりますって話をしただけなのよ。」



「なんと!あの国民全体の識字率を上げたイベントの創始者がこんなところにいたとは!」


「ですから!エルマーナ先輩、私じゃないですってばぁ。」


「きっかけには違いないじゃない。だからか。生徒指導室に呼び出されたのは。」


「ん?先輩がですか?」


「そうなのよ。今年の新入生にトラブルに巻き込まれやすい子がいるから面倒見てあげてって。」


トラブルに巻き込まれやすい…。なんちゅう説明の仕方。だがしかし、今日の感じからして先生方の心配はあながち間違いではないと言う事ね。

そしてその懸念はクリスティーネさま達の懸念で、私は知らず知らずのうちに守られていた、と。


「それにしても初日からボスワース侯爵令嬢に睨まれるとはね。まあ向こうが勝手に敵視しているんだろうけど。」


「そう!それなんですよ。私は一度もお会いしたこともなければ家としての関わりも何もないんです。それが初対面であんな感じだったんで。」


エルマーナ先輩はああなるほどね、と言う顔をした。周囲の先輩も。


「彼女はね、どうしてもお姉様に勝ちたいのよ。」


そこがよくわからない。ご家族で確執があるわけでもないのになぜそんなに勝ち負けにこだわるのだろう。


「なんでかって?そんなの分かんないわよ、誰にも。でもきっと彼女に取ってみれば一番近い所にいるライバルなんでしょう。」



「そう、彼女のお姉様はもう学園を卒業されて久しいけれど、とんでもない才女だったのよ。同級生にこれまた凄い天才と呼ばれる侯爵家の次男がいたんだけど常にトップ争いをしていたわ。そしてそのまま2人は婚約されてね。」


「現侯爵様が隠居されるまでは、っていう約束のもとお二人で王太子と王太子妃の側近として活躍されているのよ。」



なるほど、目の上のたんこぶが良い婿取りをした上に時期国王の側近となれば気分が良くないのは理解できる。けどさ。


「あの、やっぱり私にはエリーゼに突っかかる理由がわかりません。あの時、目についた下位貴族にいちゃもんをつけたって感じじゃなかったんです。エリーゼを最初からターゲットにしていたように感じました。」


やっぱりそうだよね?フィロスの疑問に大きく頷く。


「そうです。私めがけて突っかかってきたんです。会ったこともないのに何故?とそれが不思議でした。」



ふう、ため息をつきながらエルマーナ先輩が答えてくれた。



「それはね、おそらくだけど。」


「お姉様に一発逆転で勝つ秘策には、貴方がものすごく邪魔だからよ。」




えええ!私どう関わってるの?なんだか泣きたくなってきたよ…




わー…とうとうストックが無くなりました。

これからおそらく2日に1度くらいの投稿になりそうな予感です。

少し間があきますが、ちゃんとハッピーエンドで終わらせますので見捨てないでくださいー!!

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