異世界転生に魔法はデフォなのか
この世界に来て1日目、私は、考えたことがある。
それは、この少女、「アマン・ルーア」の身体だ。
もちろん、決して邪な話をしているわけではない。
もっと別のこと、例えば、"本当の彼女"とか。
ほら、普通、漫画とかでよく見かける異世界転生といえば、赤ん坊の頃からではないだろうか。
しかし、私は16歳。
そう、この意味に、気づいてしまったのだ。
彼女の中身は、私じゃない。
この体の中身は、本物のアマン・ルーアのものなのだ。
怖かった。
私という存在が、彼女を潰した…?
それとも、どこかへ追いやった??
どちらにせよ、私は肉体泥棒なのだ。
本物の彼女は…私じゃないから。
今彼女はどこにいるのか、その答えを見つけるのは、意外にもすぐだった。
「はぁ??」
思わずすっごく間抜けな声が出る。
「いけにえ?!」
は?最悪最悪最悪!!
転生先もこんな…もしや私は不幸の星の元に生まれてしまったのでしょうか…
いやそんなバカな、現実にあり得るわけが!!!
いやここ異世界だ。
だとしてもおかしいと思うのだ!
何があったかと言いますと、私、那月薫いや、アマン・ルーアはなんと、「フェアリー」を育て、産むための生贄らしいです…
つまりよくわからん生物を育て!産むために!
…死ぬことが役割らしいです。
しかも20歳に産み、その時の死亡率100%とのことで…。
あ、取り乱してしまった。
周りには散乱した紙の束、動揺している召使いたち。
まぁでも?
100%って、四捨五入されてるかもでしょ?
残りの0.0000000000000000何%とかさ。
(希望ゼロ)
元々のアマン・ルーアは、逃げ出したくて、私を異世界に呼んだのかもしれない。
「聖母様、取り乱さないでください。それがあなたの使命。あなたは幸せです」
━━━それがあなたの使命。あなたは幸せです。
━━━それがあなたの使命。あなたは幸せです。
私の中にその言葉がこだまし、私の思想を蝕む。
そうか、わたし、幸せなんだ…。
召使いが満足そうに微笑む。
「そうです」
いや、
いやいや。
違う。
幸せなわけない。
私は正気を取り戻した。
役に立つのかもわからない生物を産んで死ぬ運命なんて、受け入れられない。
全力で、抗う。
私は、新たな決意を胸にした。
抗うには…魔法を極める。それ一択だ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
共作なので急に作品のタッチが変わってしまうこともあるかもしれません。
それも込みで、お楽しみいただけたら幸いです!