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第一章:第七話

 翌日。

 早めに起きて朝日を浴びながら軽くランニングをする。

 他の家はというと、まだ寝ているようでとても静かだ。

「今日もいい日になるといいな。」

 ふと風に乗って舞う桜の花びらが目に留まる。

 果たしてこの花びらはどこから来て、そしてどこでその旅を終えるのだろうか。

 じっと足を止め、そう考えていると後ろから声を掛けられた。


「藤川さん。何をしていらっしゃるんですか?」

「...っあぁ。月宮さんか、びっくりした。」

「驚かせてしまいましたか。すみません。」

「いや、全然謝るようなことではないんだが...」

 そう会話をしながら彼女の様子を見る。

 昨日のいつぞやと違い、落ち着いた大人らしい雰囲気をまとっている。

 おそらく、これが普段の月宮さんなのだろう。

 服装を見ると、俺と同じくジャージを着ている。

 外に出ている理由も俺と同じなのだろう。

「月宮さんもランニングか?」

「ランニングと言えるほど速くは走りませんけど...まあ、軽いエクササイズ程度ですかね。」

「そっか。それじゃあまた学校で。」

 周りの家から少しずつ動き出す気配がする。きっと皆が起き始めたのだろう。

 早く帰って授業の準備をしなくては。と思い、別れようとする。

 すると、

「あの、藤川さん!」

「ん?」

 月宮さんに引き留められた。

「どうしたんだ?」

「そ、そのですね...」

 彼女は少し顔を赤らめ、もじもじさせながら言った。

「良ければ私と授業を受けてくださりませんか?」

「まじで?いいのか?」

「ふ、藤川さんが良いのであれば...」

「じゃあ、ぜひ。お願いします。」

 こうして俺は月宮さんと授業を受けることになったのだった。





 待ち合わせ場所を校門に設定し、月宮さんと別れる。

 足取りが軽くなり、いつもより走るペースが少し上がる。

 いつぶりだろうか、これほどワクワクするような気持ちは久しぶりだ。

 ただ一人の他人と授業を受ける約束をしただけだというのに。

「俺の中にもまだこんな感情が残っていたんだな。」

 自分の感情の高揚に気づき、呟く。

「まあ、悪くないか。」

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