第六章:第二話
メンバーの顔合わせから一週間。
第三学園都市の代表メンバーは第一学園都市へ向かう、各学園に一機配備されているプライベートジェットの中にあった。
すべての学部からの代表者が搭乗しているので、生徒と付き添いの教師を合わせておよそ六十人ほど。
他の学園都市を訪れるのが初めてという生徒も多いため、機内は浮足立った空気に包まれていた。
そんな飛行機の上で、珠威たちはのんきにカードゲームをしていた。
参加しているのは八人。戦闘科の七人と、たまたま珠威の隣に座っていた霞美鈴である。
彼女はどうやら歌葉の知り合いだったようで、話の流れで一緒に時間をつぶすことになったのだった。
「じゃあ、五枚目をめくるぞ........じゃあレイズで。」
「私はフォールドかな。」
「あれ?乗ってくれないの?」
「まあね。」
機内にチップまで持ち込みテキサスホールデムをする八名。
珠威はどうやらこのターンで持っている手札で美鈴と勝負をしたかったらしいが、残念ながら美鈴はフォールド。
それを見た他のゲーム参加者たちも続いてフォールド。
結果、珠威にとって何の面白味のないターンとなってしまったのであった。
「せっかくフルハウスが揃ったのに。」
「あはは。藤川君は意外と感情が読みやすいからね。」
「そうですか?」
「うん。なんか、私には分かっちゃうんだよね。
一瞬だけその空気が弛緩するというかなんというか。」
「そうなんですね。」
全く気づけなかった歌葉が少し沈んだ表情を見せるので、
「あーっと、なんというか、これは私の特技みたいなものでさ。
私、人の感情を読み取るのがすごく得意なんだよ。」
とフォローする。
へぇ、と感心する一同の中、珠威は(流石だな)と感心していた。
(確か霞美鈴は言語学部の首席。言語学部について外部には、将来外務省などの幹部候補の育成と説明をしているが、その実態は軍のスパイの育成といううわさもある。おそらくもうすでに霞さんはスパイ候補として、簡単なそっち方向の教育を受けているんだろうな。)
珠威が気づくべきでないことに気づいてしまうという出来事も起きてしまったが、第一学園までの時間を楽しく過ごすことのできた一同であった。




