第六章:第一話
久しぶりの登場なので
硝斗、姫奈:物理化学科で珠威の幼馴染。二人は付き合っている。
莉桜:医学科。零の許嫁。
彩華:瑞希、響を除く第三での他班の主なライバル。
木々が赤黄に色づき、目を楽しませる季節がやって来た。
学園間交流から早一年。珠威たちは三年生の秋を迎えていた。
戦闘科に分けられてからも一年以上がたち、学園生活に完全になれたころの話である。
「そういえば、聞いたか?学園対抗戦の話。」
「ああ。各学科、代表者四人と補欠三人だってな。」
「ここで活躍したら評価に大きく影響するらしいぞ。」
お昼時の食堂では一年から三年までがご飯を食べているが、皆この話題で持ちきりだった。
それは珠威たちも例外ではなく、
「一体代表には誰が選ばれるんでしょうね。」
「気になるよなぁ。」
「戦闘科については、珠威と月宮さんは確定だろ。」
「零君はどうなの?」
「俺は...選ばれたらいいなぁ。」
「大丈夫、零君なら。」
「莉桜...なんて君は優しいんだ。まるで寒空を照らす春の太陽の様だ。」
「...そんな褒められちゃうと照れちゃうよ。」
何やら甘い空気が漂っているが、本人たちに自覚はない。
珠威たちは慣れたもので、スルーして食事を進めている。周りの机に座っている人たちはあまりの甘さに呑まれているが。
ちなみに、今珠威とともにご飯を食べているのはいつも通りのメンバー:歌葉、零、花梨、硝斗、姫奈、そして莉桜である。
「確か、選ぶのは先生だったかしら?」
「そのはずだ。硝斗たちも選ばれそうなんだろ?」
「ええ、もちろんよ。だてにこれまで学科一位を獲り続けてきたわけじゃないんだから。」
「俺は実習の評価はずば抜けて高いからな。テストでは少し他とどんぐりの背比べだけど、対抗戦ということを考えると多分選ばれるだろう。」
「そうか。」
硝斗たちの話を聞きながら珠威は思いを巡らせる。
学園対抗戦ではきっと第二で出会った強敵のみならず、全ての学園から実力者たちが集うのだろう。
そんな場所で己の技を試すことができる。
これがどれほど待ち遠しいことか。
「なんだか、すごく楽しそうな顔をしていますね。」
顔を覗き込んで言った歌葉に、珠威はそれはもう、満面の笑みで口を開く。
「ああ、すごく、すごく楽しみだ。」
*
お昼後、一番の授業は班ごとの練習である。
そのため、珠威たちは連携を練習しようと決闘場に集まっていたのだが、
『今から呼ぶ戦闘科の生徒は第三会議室に集まりなさい。
藤川珠威、月宮歌葉、那須野零、竹中花梨、結城彩華、白川響、明星瑞希。
繰り返す...』
という放送がかかったため、練習を中断し、会議室へと向かう。
「これはこれは。ひょっとしなくても学園対抗戦のメンバーかな?」
「おそらく、そうなのではないのでしょうか。私たちの他に呼ばれた方々も実力者ですし。」
ちなみに、三年生になってからも授業で班ごとに戦闘をする訓練や、個人戦を行ったりしていたが、放送で声を掛けられた七人が常に成績トップ層に君臨している。
会議室に到着し、扉を開けるともうすでに一班以外のメンバーはそろっていた。
部屋の中央にある机に皆座っており、最奥に座っている響は珠威と目が合うと笑って、
「俺たちなら負ける気がしないな。」
と、高らかに言い切った。




