表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/47

第五章:第四話

 翼が降参した―その事実は観客席にざわめきをもたらした。

「おい、あの最強の翼が...」

「まさしく完敗って感じだな。」

「まさかな。」


 驚きの声であふれる観客席の方を一瞥して、翼は珠威の方へ近づく。

「すごいな、お前。手も足も出なかった。」

「いや、こっちだってひやひやした。」

「あれでひやひや程度か...」

 全く本気にさせていなかったことを知り、自分にがっかりする翼。

「でも、俺の場合はこのアームの能力が強すぎるからな。」

 翼の感情が表情に出ていたため、慌ててフォローするように言う。

 その言葉に翼は首を横に振って、

「いや、それでもアームを使いこなしているお前がすごい。

 おそらくだが、そのアーム。使用者の脳波か何かをもとに剣の粒を動かしているだろう?」

「ああ。剣の粒っていうか、俺は便宜上『スパークル』って呼んでいるが。まあ、そのスパークル一つ一つになんか信号を飛ばしているやらなんやら、詳しいことは技術が高すぎて俺も分かっていないが、俺が思った通りにこいつは動いてくれる。」

「一回使ってみてもいいか?」

「いいぞ。」

 翼は珠威から剣を受け取りそのごつごつした手で持つ。

 やはり見た目は一見普通の剣である。

 早速粒子状に動かそうと、珠威がやっていたように

「リリース。」

 と唱える。すると、

「うがっ。」

 剣を持つ手から力が抜け、頭に手を当て、地面に座り込んでしまった。

「おい、大丈夫か?」

「...だい...丈夫だ。」

「翼はただ使おうとしただけなのに。俺の時と何が違うんだ?」

 珠威の疑問に翼が答える。

「おそらくだが、この武器は非常に高い処理能力を持った脳じゃないと扱うことができないんだ。

 お前は無意識にやっているが、スパークル一つ一つの速さや位置などを指令するにはとてつもない処理能力が必要なんだ。

 だから、言っただろう?この武器を扱えるだけでもすごいのに、使いこなしているお前はとてつもなくすごいんだ。」

「ほぉーん。」

 いまいち自覚がなさそうな顔で珠威はうなずいたのだ。

 その様子は見て、翼はため息を吐きつつ、珠威に右手を差し出す。

「改めて、俺は柊翼だ。よろしく。」

 珠威も右手で握り返し、

「俺は中川珠威だ。珠威と呼んでくれればいい。」

「分かった。よろしく、珠威。」



 珠威は決闘場から出て、歌葉たちと合流した。

 そのまましばらく泊まる予定である寮へ向かう

「すごかったですね、珠威さん。」

「いや、まあ。」

 褒められて悪い気持ちはしないのだろう。心なしか鼻のてっぺんが赤くなっている。

 響たち他の第三学園組と、春馬たちも一緒におり、今は宿舎へ向かっているところだ。

「ところで、あの相手が使っていた剣は一体何だったんだ?」

 響が聞く。外から見ていた限りでは普通の剣のようにしか見えず、一体どのような能力が隠されていたか知ることができなかったからだ。

「あの剣か。俺の推測になるんだが、多分重さを自由自在に変えることのできる剣なんだと思う。」

「重さを...ですか?」

「ああ。重さの調節の仕方はたぶん俺と同じく脳波を利用しているのかな。それで重さを変えるのは...うーん...こういうのは物質とか化学とかの特性に詳しいであろう硝斗や姫奈に聞いたらわかるかな。

 まあ、仕組みは知らんが、剣を振り下ろす瞬間だけ重くして攻撃をより強く、あとは軽くして取り回しをよくするって感じかな。」

「それは...強いな。」

「まあ、ただ、剣という武器である限り、近接戦闘しかできないからな。だから俺は自分に有利な状況を作り出せたって訳だ。」

 珠威の分析を聞いて感心する一同。

 そうこう話していると、四階建てで、横に横長の建物にたどり着いた。

「ここが寮だよ。入って右側が男子寮、左側が女子寮。早速入ってみようか。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ