第五章:第一話
長らくお待たせいたしました。
時は巡り、珠威たちは二年生となっていた。
季節は冬となり、寒い空気が街を支配し、時折雪が降ることもあった。
そんなある日の事。
珠威、歌葉、花梨、零、瑞希、響の六人は帰りのホームルーム後に教官に呼び出され、別室で待機していた。
すでに待ち始めてから五分以上。最初は皆静かに待っていたが、呼び出された理由への興味と、退屈な気持ちとで、六人で仲良く談笑していた。
「なんで俺たちが呼ばれたんだろうな。
零ならまだ素行不良で呼び出されそうだけど、それ以外は真面目だし。」
「おいおい、最近は俺の素行も悪くないだろうが。」
珠威の言葉に突っ込みを入れる零の様子にその場の皆が笑う。
「とはいえ、真面目な話、なんでだと思う?」
響が場をとりなすように尋ねると、タブレットで年間予定を見ていた歌葉が口を開ける。
「一応、予定によると学園間での生徒交換があるようですよ。」
「「「「「生徒交換?」」」」」
「その通りだ。」
五人が一斉に尋ねたところで教官が入ってくる。
ちなみに、教官は一年の頃と変わっていない。
「遅れてすまないな。」
そう言いながら教卓に、手に持っていたたくさんの紙を置いて六人に説明をする。
「それで、先ほど歌葉が言っていた通り、君らには生徒交換に行ってもらう。
今年の交換先は第二学園都市―東京の地下にある学園都市だな。」
「東京の地下...」
「おいおい、そんな残念そうな顔をするな。俺は一回行ったことがあるが、あそこはすごいぞ。
具体的にどういうところかは言わないが、お前らが想像したものよりは間違いなくすごいということだけ言っておこう。
それで、生徒交換に当たって今から配るプリントをしっかり読み込んでおけ。
全部で一人当たり三十枚な。」
「「「「「多すぎぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
歌葉以外の全員が悲鳴を上げた。
*
翌週。
六人の姿は東京にあった。
名古屋から乗ってきた鉄道を下りて徒歩で第二学園都市へと向かう。
引率はいないので、事前に配られた紙を頼りに道を進む。
まずは駅の階段で地下に下り、下り、しばらく道なりに歩くとエレベーターがあるので、またそれで低い所へ降りていく。
そして、エレベーターに乗ることおよそ四分、扉が開いた先の光景に六人は目を見開く。
そこに広がっていたのは地下とは思えないほど広い空間、明るい照明、色とりどりの植物たちだった。
天井までの高さは珠威の目測ではおよそ250メートル。これは五十階分ほどの高層ビルに相当する高さである。
地下空間は見渡す限りずっと続いており果ては見えない。
そして、照明に着目してみると、疑似的な太陽がそこにはあるのである。
さらに、木々も生えており緑豊かだ。とても地下とは思えない。
予想だにしていない光景に圧倒され、立ち尽くす六人のもとに二人の生徒が歩きよって来た。
「やあ、ようこそ、第二高等学園都市へ。君らの案内役の柘植春馬だ。」
「同じく案内役の星神寧々よ。よろしく。」
春馬と名乗った男子と寧々と名乗った女子は朗らかな笑顔で自己紹介をする。
春馬は茶色い髪を短髪ツーブロックにした、いかにも好男子という要望の男子である。
寧々はくすんだ金色と先が青い髪をツインテールにしたかわいらしい女子だ。
これからの生徒交換で過ごす日々を楽しみに思いながら秀たちも自己紹介をし、二人と交流をするのであった。
前にも言った通り、今年度一杯は更新が不定期になります。
受験終わったら多分安定して出せるかと。




