第四章:第十話
砂漠と言っても平たんではないので、起伏に隠れて移動をしています。
零の狙撃により、四班の残りの人数は三人に減った。
さらにそこに攻勢をかける一班。
突然の銃声で一人が戦闘不能になり、頭が真っ白になったところを一気に攻め、もう一人を落とす。
これで残るは二人。
数的有利もあり、無意識のうちに油断していたのだろう。
だから四班の突然の動きに対応できなかった。
*
突然どうもどうも。
私は突然の狙撃で倒された四班のモブ、Aであります。
残念ながら私は脱落してしまったのでもう見せ場がないのですが、特別にこの場をお借りできるということなので、ここで四班がこれまでしてきた厳しい訓練の数々を紹介しましょう。
まず、一対三による戦術の強化。
私たち四班の班長は明星瑞希は何とプロ棋士で、タイトル保持者でもある、高い知能を持った戦略家なのです。
それだけでなく、近距離から中距離まで、何でもできるオールマイターでもあります。
訓練ではそんな彼女一人とそれ以外の三人で戦闘を行います。
普通に戦うと、三人いるとはいえ普通に負けてしまうので、毎回作戦を練って挑むのですが、これまた生半可なものではすぐに看破されて、すぐに弱点を突かれて負けてしまいます。
そのため、毎晩頭を、これ以上何も出ないくらい絞り切って、作戦を考えます。
結果、この大会までに有用と判断された作戦は四種類。
その中には、最強のカウンター技が含まれます。
残念ながら、私ともう一人がやられてしまいましたが、きっと瑞希様ともう一人のモブがどうにかしてくれるでしょう。
それでは、四班の勝利を信じて私は退場しようと思います。
さようなら!
*
追い込まれた二人が取った行動は逃げるのではなく、逆に珠威一人を集中攻略というものだった。
丁度花梨のライフルのマガジンが切れ、リロードをしている間に珠威の方へ銃口を向けて銃を撃つ。
珠威はある程度の射線を読むことができるがさすがに百パーセントは不可能。
数発を食らってしまい、動きが鈍ったところでとどめを刺されてしまう。
珠威に狙いが定まっている間に接近した歌葉は、片方を倒すことに成功したものの、もう一人までは届かず、こちらも戦闘不能に。
花梨はいったん死角に隠れて、状況を整理する。
相手も一息つきたかったのだろう、追撃はない。
まず、今、明らかに先手を取ることには成功した。
ただ、相手はカウンターを前提に動いていたのか?
狙撃が成功した直後こそ動揺があったが、その後はすぐに統率の取れた動きで反撃をされてしまった。
悶々と考え込む花梨。
袋小路に入りかけたが、零からの『大丈夫か?』という無線で現実に帰ってくる。
「ああ。まだ私が残ってるが...珠威と歌葉がやられた。」
その事実に驚いたのか、言葉が出ない零。
『...それでどうするんだ?勝たなきゃいけないだろう、あの二人がいなくたって。
それにまだ二対一だ。数的有利はあるだろう?
作戦を考えてくれよ、軍師様?』
その言葉に現実に目を向けなおす花梨。
「その通りだな。まだあきらめるには早かったな。」
この学園、なんか超人がたくさんいますね。




