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第四章:第六話

 その斬撃を珠威は両手剣で、花梨はライフルの太い部分で受け流す。


 木から降りてきたのは栗毛の男子と見覚えのある金髪の女子。



「っち。一撃で仕留める気だったのに。」


「落ち着いて、秀。相手は実力者。何をしてくるか分からない。」



 その言葉に今にも飛びかかってきそうだった、秀と呼ばれた男子が体勢を整える。

 それにしても、秀はずっと珠威のことをにらんでおり、真剣勝負の最中であるが珠威は、



「俺、君に何かしたっけ?」



 と聞いた。

 すると、秀は突拍子もないことを言い出した。



「藤川珠威。僕は君が人間としてあるまじき行為をしているということを知っている。」


「はぁ?」


「君は洗脳を心得ているね?」


「...なんでそう思ったんだ?」



 あきれて言葉が出ない、という顔で聞くと、



「簡単さ。

 洗脳を使わずに君が僕より多くの女の子を侍らせることが可能だと思えない。」


「侍らせる...ね。」



 秀は至って真剣に言っているのだが、この場にいる彼以外の三人の間には白けた空気が漂っていた。


 そして味方にも関わらず、金髪の女子が秀の頭をぶったたいた。



「早く正気に戻れ。そんな恥ずかしいことがよく言えるな。」


「いたた。彩華(いろは)もそうは思わないのかい?

 僕以上にモテる人がいるわけないって。」


「さっぱり。」


「「.........」」



 珠威と花梨はその様子をなんとも言えない表情で見ていたのだった。





 一方歌葉サイド。

 崖の上から敵グループの残り二人を発見し、先手を打つことに成功していた。


 零のスナイプで一人を戦闘不能にしたものの、もう一人は死角に隠れてしまった。


 顔を出すのをうかがっていたがらちが明かないので、



「零君はここから見張っていてください。敵が動いたら私に連絡を。

 私は接近してそのまま倒してきます。」


「りょーかい。狙撃できそうだったらするな?」


「分かりました。」



 戦況を変えるために動き出した。



 歌葉は小銃を片手に接近を気取られないよう木々に隠れながら慎重に近づいていく。

 そしてあともう少しというところで零からの無線が入った。



『すまん。さっき隠れていたところから出たのは確認したが見失った。

 気を付けてくれ。』



 これを聞くと同時に真横に気配を察知。

 体を地面に伏せると先ほどまで頭があった場所を銃弾が通って行った。



「おっと、避けられちゃったか。」


 現れた女子が続けてマシンガンの引き金を引く。

 慌てて歌葉は木の後ろに隠れるが、小銃は手放してしまった。


 これを見て、その女子はもう武器がないと思ったのか、



「ふふん。おとなしく降伏しなさい。」



 しかし、歌葉の腰にはまだ両手剣がぶら下がっていた。

 一気に剣を構え、木の陰から出て、



「そうはいかないんですよ。」



 二班の分隊のうち、片方を撃破したのだった。

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