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第四章:第三話

竹中花梨 ― 前に刑事さんから紹介されていた人

 珠威から声を掛けられた、黄土色の髪の女子は何も言わずじっと珠威の目を見つめていた。

 珠威はその探るような目に対して、一歩も引かず、見つめ返す。

 そうして時間がどれほど経過したか分からないが、沈黙を破ったのは花梨の方だった。

「私とチェスをしてくれないか。君。」





 花梨がタブレットを取り出し、対局のセッティングをして、

「じゃあ、白は君にあげよう。」

「それじゃあお言葉に甘えて。」

 珠威が先行で勝負は始まった。

 互いに少し考える時間はありながらも、特に長考することなく進んでいく。

 珠威は無言で駒を動かしながら、内心驚嘆していた。

 一つ手を動かして攻めてみようとすると、すぐさま狙いを読まれ、逆にちょっとした隙をつかれてしまう。

 あっという間に形成は花梨有利となり、五分もたたないうちに

「チェックメイト。」

 花梨の勝利でゲームは終わった。


「いいだろう。君の班に入ろう。」

「え?」

 てっきり勝てなければ入ってくれないと思い込んでいた珠威は素っ頓狂な声を出してしまった。

「勝たなきゃ入ってくれないんじゃないのか?」

「何を言ってるんだ。私はただ対局を通じて君と言う人間性を見ようとしただけだ。」

「そうだったのか。」

 無事班に誘うことに成功してほっとする様子を見て零と歌葉は笑う。

「これからよろしく頼む。私のことは花梨と呼んでくれ。」

「分かった。俺のことも珠威でいい。」

 かくして珠威たちの班は結成されたのだった。

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