第四章:第二話
昼食をとり終えて教室へ移動する三人。
授業のおよそ十分前に到着し、開始を待っていると、
「あ、あの。すみません。」
これまでに一度も会話をしたことのない生徒に話しかけられる。
「私と班を組んでくださりませんか?」
すると、その発言を皮切りに周りにいた他の生徒もやって来て、
「俺の方が使えますよ!」
「私、接近戦なら誰にも負けません!だから私を班に!」
「雑用でも何でもやるので俺を入れてください!」
と、自己アピールを始めた。
とはいえ、もう組もうとしている人は決まっている。
「すまない。君らと組むことはできない。」
毅然とした態度で断ると、何人かはあきらめきれない様子を見せたが他の生徒に連れられて去って行った。
丁度始業のベルが鳴り、教官が入室する。
「久しぶりだな、諸君。君らが無事進級した姿を見られて私もうれしく思う。
早速だが本題に入ろうか。
君らの間で噂になっているだろう、班決めを今日はしてもらう。」
一つの班あたり四、五人で今日はそれだけ決めたら解散と告げて教官は去って行く。
退室した直後、一瞬教室は静寂に包まれたものの、すぐに大騒ぎになった。
一度珠威たちに断れたものの再びアタックしに行く者、珠威たちとの班はあきらめて他の有望株と班を組みに行く者などなど、教室では非常に醜い光景が広がっていた。
*
彼らが班決めに必死になるのには深いわけがある。
戦闘科を卒業した者はほとんどが軍に所属することとなるが、成績が優秀な者ほど配属先の選択肢が広がるのだ。
最も人気があるのは特殊部隊。
どこへ行っても生きて帰って来て、どんな任務でも必ず成功させることで有名だ。
その一般への認知度や、給与の高さ、訓練環境の良さの他、エリートコースの入り口であるということで倍率が非常に高くなっている。
学園から入るには教官からの推薦が必要で、そのためには優秀な成績が必要だ。
そしてその優秀な成績を得るには二年生から増える班での訓練で高い評価を得なくてはならず、そのためにはより高いレベルの班員が必要なのだ。
一通り誘いを断り終えた珠威たち三人は、最後の一人を誘いに動き出した。
その人は教室の窓際で外の景色をのんびりと眺めていた。
「竹中さん。俺たちと班を組んでくれないか?」




