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第三章:第七話

 侵入者らを鎮圧して零は飛び降りてきた二人、珠威と歌葉に尋ねる。

「どうやって降りてきたんだ?二階から一階まで距離があるだろ?」

 零の言葉通り、一階と二階の間は約六メートル。

 普通に飛んでいては間違いなく怪我をする。

 そのうえ、侵入者らが立っていたのは二階の部分から大きく離れた場所。

 届くはずがない。

「ふっふっふっ。気になるか?」

「ああ。」

「素直に教えたらどうですか?」

 珠威の様子にあきれた様子で歌葉が言うが気にした様子はない。

「あれを使ったんだよ。あれを。」

「あれ?」

 珠威が指さす先を見るとそこには垂れ下がった消火用ホースが二本。

「えっ。まじであれで?」

「ああ、強度が十分だったことは知ってたしな。」

「知ってても普通やろうとしないだろ...」

 そんなことを話していたら警察がなんと言うか、困ったような顔で武器をおろして近づいてきた。


「君たちは一体何者かな?」

「俺たちですか?」

 珠威は少し考えるそぶりを見せて言った。

「通りすがりのしがない高校生です。」




 その一時間後。

 珠威たちは県本部の警察署で参考人として話をしていた。

 どうやって制圧したかだとか、あんな行動にどうしていきなり出たかとか色々。

「君らの行動のおかげで多くの命が助かった。深く感謝する。」

 その言葉に三人は顔を輝かせるが、

「ただ、こんな危ないことはもう二度としないように。

 結果としては良かったが失敗していたら一体どうなっていたことやら。」

 と、続けられた言葉に顔を曇らせた。

「にしてもまさか国立高等学園の戦闘科か。」

「何かあるんですか?」

「実は私の娘がそこに通っていてね。」

「娘さんが。」

 三人は驚いた。

 この驚きは刑事につながる人が身近にいたことへの驚きではない。


 この刑事の容貌が見るからに六十代のおっさんなのに娘さんが高校生の年齢であることに驚いただけである。

 その空気を敏感にかぎ取ったのか、

「私の血はつながっていないよ、二人目の妻の連れ子でね。」

 と言う刑事。

 三人は何と返すべきか分からず黙ってしまう。

「最近は反抗期でね。家ではあまり口をきいてくれないが、心根は優しい子だよ。

 ぜひ仲良くしてやってほしい。」

「お名前は何というんですか?」

 そう尋ねると、刑事はそれまでの厳しい目つきから穏やかな目つきになり、言った。

「竹中花梨(かりん)だ。君たちが戦略担当に困ったら頼るといい。

 私のひいき目を抜きにしても聡明な子だよ。」

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