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第三章:第三話

 室内だというのに、明るく開放的な空間が広がっている。

 壁には手入れの行き届いた植物が青々と生え、少し開けた場所には噴水まであった。

 天井にはオレンジ色のライトが吊るされ、落ち着いた雰囲気を演出している。

 そんなどこぞのリゾートのようなショッピングモールで俺たち六人は楽しく買い物をしていた。


「見て見て!あれ、歌葉に似合いそうじゃない?」

「そんなことは...でも、せっかくなので着てみます。」

 姫奈の言葉に乗せられてお店に入って行こうとする歌葉。

 すると、

「じゃあ、俺たちはこっち見てるわ。」

 硝斗や零らは別の店に行くようだ。

 俺も一緒に行こうとすると、

「珠威はこっちだよね?」

 と姫奈に言われる。

 その目には断ることをためらわせるような、強い意志が宿っていた。

 いったいどういう意志なのかと疑問に思いながらも、

「ああ。」

 特に断る理由もなかったので、女子の服選びに付き添っていいのかは迷ったが、姫奈と歌葉と行くことにした。

 ちなみに莉桜は零についていくようだ。

 腕を組んで楽しそうに歩いている。幸せそうで何よりである。

 硝斗が少し心細そうな顔をしていたが。



 お店に入って三十分強。

 俺は姫奈によりプロデュースされる歌葉のファッションショーを楽しんでいた。

 姫奈が服を探して持ってきて歌葉に渡し、また着替えている間に次のコーデを探しに行く。

 大変そうではあるが、本人たちの表情は楽しそうだ。

 その姫奈の選んできたコーデは、ジャンルはばらばらだがどれもよく歌葉に似合っている。

 麦わら帽子と白いワンピース。

 ダボっとしたジーンズに袖口の広いTシャツ。

 ひらひらの多くついた黒いトップスに白の長いスカート。

 肩が大きく出たトップスに短いスカート。


 次々と変わっていく歌葉の姿、そのどれもが美しく、俺の胸を高鳴らせる。

 こんな素敵な時間が永遠に続けばいいのにと思っていたその時。

 俺の視界に全身黒ずくめの男たちがショッピングに入ろうとしているのが窓からうつった。

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