素直な気持ち
二人が部屋を出ていくと美麗は体を起こした。
頭の中はぼんやりとしていて体は少し火照っているのを感じる。
空松が見舞いに来ることは全く想定していなかったが来てくれたことに対して美麗は凄まじい喜びを感じていた。
来てくれて嬉しかった。話してくれて嬉しかった。心配してくれて嬉しかった。会えるだけでただただ嬉しかった。
今日はもう会えないと思っていた。でも会いたいと思っていた。それは無理をしてでも学校に行ってしまおうかと思うくらいに。
結局母親に止められて叶わなかったが。
先程まで空松に触れていた手をそっと抱きしめる。
触れている間はとても嬉しくて心臓がずっと高鳴っていた。手越しに聞こえているかと思うと少し恥ずかしかったが手を離したいとは思わなかった。
美麗は今日学校に行くことは叶わなかったが、空松はそうではない。
彼はきっと学校で色んな人と交流している。その中にはきっと女子もいただろう。
そう思うと羨ましくて仕方がなかった。ずるいと思ってしまった。取らないで欲しいと思ってしまった。
自分にはそう思う資格はないと美麗は思っている。それでもそんな気持ちが止められなかった。
(ああ、好きだなぁ)
もうこの感情が溢れ出て仕方がない。止められる気がしない。
ずっとそばにいて欲しい。どこにも行かないで欲しい。隣にいたい。
でも、彼はきっと他の女子を選んでしまうのだろう。こんな惨めな人よりも。そう思うと美麗は悲しくなった。
どうやったら隣に入れるのだろう、一緒になれるのだろう、その答えが欲しい。彼のためならなんでもできるそんな気さえしてくるのにどうすればそんな関係になれるのかわからない。今は頼ってばかりで頼られてなどいないのだから。
あんな時間がずっと続いたらどれだけいいだろうと美麗は思いながら再びベッドに身を委ねた。




