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学校の隠れ美少女と今日も喋る  作者: 粗茶の品
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誰と帰りますか?


「帰ろうぜ」


 荷物をまとめて来た磯立が信夜に話しかける。信夜はその言葉に固まってしまった。

 あれから一度も星上に会うことがなかったから今日は一緒に帰るのかどうかわからない。言われていないのだから考えても仕方ないだろうが、もしそういうことなのなら磯立がいても大丈夫なのだろうか。

 磯立は悪い印象が特にない人物だから問題ないと思うが、それでも信夜がそう思っているだけで星上がどう思うかはわからない。そう変わるものでもないと思うが。


「どうした?」


 磯立は不思議そうな顔を向ける。

 何かあるのだろうと察したらしい。


「なんでもないよ」


 どれだけ考えても今日は誘われていないのだからただの杞憂だろう。今からでも誘われたのなら話は変わるだろうが。

 それよりもなぜこんなに星上のことを考えているのだろうか。


「あ、もしかして西平が言ってた一緒に帰ってるって人か?」


 どうして見破られたのだろう。どこかに書いてでもいたのだろうか。そんなわけはないだろうが。


「俺は邪魔か?」


「いや、そういうわけじゃなくて、初対面だからな」


「なるほどな。人見知りなのか」


「そうなふうには感じる」


 おそらくだが星上には人見知りの気質はあるように思う。


「どちらにしても邪魔なんじゃないか?」


「今日は誘われてないし一緒に帰るかもわからないから大丈夫だよ」


 磯立は訝しげな顔を浮かべる。

 どうしてそんな顔をするのだろう。深く考えたってしょうがない。備えるに越したことはないだろうが。


「今日は様子見たらどうだ?お前、案外面倒見がいいのに、変なとこ抜けてるからな」


「どういう意味だ?」


「さあな?」


 磯立は顔を逸らす。信夜はそれに少し目を細めた。

 面倒見がいいというのは褒め言葉なのだろうが、本当にそうだろうか。信夜は自分が面倒見がいいとは思わない。良くも悪くも普通だろう。

 それに変なところと言われてもそこがなんなのかわからないから何を言いたいのかわからない。信夜はそこをしっかりと教えて欲しかった。


「ま、俺とどうしても一緒に帰りたいってわけでもないだろ?」


 信夜がふっと笑うと磯立は「じゃあな」と言って帰っていった。

 もともと知り合いで帰る方向が同じだからそうしていただけでどうしてもそうしたいと言う気持ちは悪く言えばない。

 一人では静かで退屈に近いような気がするのも確かだが。

 信夜もまとめた荷物を持って教室を出る。すると教室のドアのすぐ近くで磯立が立ち止まって誰かと話していた。

 どこの誰かはわからないが女子生徒。磯立と彼女が話しているところは見たことがないが知り合いなのだろうか。

 少し様子を見ると今度は一緒に歩き出して階段へと向かった。一緒に下校でもするのだろうか。

 実は磯立の方が今日は一緒に帰りたくなかったりしてなんて一瞬思ったが信夜はないなと首を横に振った。

 そして、少し隅で立ち止まってから階段の方へと歩き出す。

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