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学校の隠れ美少女と今日も喋る  作者: 粗茶の品
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プロローグ


『高嶺の花』という言葉がある。

 自分には見ることしかできず手の届かないもの、憧れのものそんな意味が込められている言葉だ。

 それは人にも用いられる言葉で特に女性に対して使われるものだと思う。

 そして、高嶺の花である人は大半の人にそう思われているだろう。さらには当たり前だがそれはおおよそ、少人数にしか使われない。

 つまりは、その文字の如く高嶺に咲き、周りには仲間が少ないのだろう。

 そして、それはおそらく高嶺のその反対、低地でも同じだ。

 一番人が多いのは中心あたりで端に行けば行くほど数が少なくなる。

 では、その花は望んでそんな場所に咲いたのだろうか。

 大半のものを見下ろす、あるいは大半のものを見上げて少ない仲間で生活していく。そんなところを望んでいたのだろうか。

 こんなことを考えているのはただ嫌味を言いたいだけなのかもしれない。嫉妬、そんなものに近いのかもしれない。強がりみたいなものかもしれない。

 僻み、もしくはこっちに来て欲しいなんていう勝手な願望かもしれない。

 でも、全てのものがそこにいたいと思っているわけではないとも思う。

 芽を出した時からそこにいて、周りからは下から羨望を向けられ、あるいは上から侮蔑の目を向けられ、同じ場所にいる人は数少ない。もしかしたらいないのかもしれない。

 それは少し寂しいと思う。これは勝手な意見だ。

 しかし、花は生まれた場所を簡単には移動できない。

 こちらから手が届かないのならきっとあちらからも手は届かない。

 所詮自分は今いるところしか詳しく知らない。そこが生きやすいかどうかは人次第だ。

 本当にそこは生きやすい場所なのだろうか。実は変わりたいと思っているんじゃないだろうか。

 ある人物が変わりたいと思っていたとして、簡単には変われないこの状況をその人物は一体どう思うのだろう。

 理不尽だと思うのだろうか。こんなものは望んでいないと何かを恨むのだろうか。

 こんなことを考えるのは自分は今いる場所をある程度気に入っているからというのもあるかもしれない。

 高嶺に行きたいなんてそんなには思わない。かといって下に行きたい訳でもない。

 そんな自分は他の場所に行きたいと思う人に何ができるのだろう。

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