今日も仕事に身が入っていますね。女聖騎士団長さん。
仕事モードの女聖騎士団長。凛とした雰囲気がまた素敵です。デスクーワークの際には時々眼鏡もかけているそうですよ?
「なあ、今日も団長、完全仕事モードだったな。失恋でもしたのか。」
「おいおい。そりゃ、女神とはいえ、人だもの。でも、そんなに余裕がない日でもおれたちへの
フォローさえ忘れないとは。なんて女神なんだ。」
「おいおい。分かりきった事じゃないか。」
「ホントな。今さらな。」
ふ。仕事には支障がなかったようで何よりだ。さて、用事も終わったので帰るとしよう。
もぶB「待ってください! ラムザさん!」
「どうした。」
モブ全員「おれたちが何か声を掛けるのも、おこがましいので、女神さまを頼みました!」
そりゃ、ジャンヌも妻帯者や彼女持ちの男共に声をかけられても、浮かばれないだろう。
何せ彼女の悩みは今すぐ彼氏が欲しいという、何とも利己的な理由だからだ。
やれやれ。ひと仕事としますか、おれは大きなため息とともに、宙へ飛び去った。
********************
質素倹約がどうやらジャンヌの生きるモットーらしい。
しかし何故か彼女の実家はそれはそれは豪勢なお屋敷だったのだ。
どんな、育ちをしたらこんな化粧っけのない小娘になったんだか。
親の愛情不足? それも違う。彼女の親はとても出来たお二方で、おれが実家にあいさつに
行った時はそれはそれは歓迎してくれたもんだ。
ジャンヌの外面は社会経験で身につけたものの匂いがするが、内でのあの人懐っこさは
両親譲りなんだなと実感させられた。
しかし、恋愛話が好きなのか、弟には姉ちゃんが男連れてきた!だとかはしゃがれてしまっていたっけ。
ジャンヌが顔真っ赤にして憤慨していたのが懐かしいな。
************************
そういや、おれに初めて彼氏が出来たと報告してくれた時は、2人してこっそりお祝いしたっけ。
あれは、小娘が16の時だったかな。
懐かしいもんだ・・・。
あの時使った切りの空飛ぶじゅうたんまだ残っていたかな。
************************
さてさて。お見合いの写真も一通りそろえたし、小娘を慰めにいってやるか。
やれやれ。おれも大概お人好しだぜ。
************************
「これとかどうだ?
農家の次男坊。お前さんも、そろそろ恋人もよいけど、生涯添い遂げる大切な人探しでもって思ってな。
前から農家も良いかもとか言っておれの顔ちらちら見てたじゃねえか。」
お、おいなぜジト目でおれを見る。分かった。こいつがお前のお眼鏡にかなわないことだけは。
「今日はもう結構よ。でもありがとう。ラムザ。」
************************
ふむ。時間を使って調査したかいがあったもんだ。
部屋を出るさいに、超高級聖水の瓶を踏んずけ、おれはため息をついた。誰だよ。こんなに買い込んだのは・・・。
************************
イシュアンとジャンヌが最近、夜な夜な密会を繰り広げているとの事だ。
おれの悪魔界の部屋の呼び鈴がリンリンうるさいから、「何事だ!如何した!」
とお屋敷に飛んでいったというのに、パニックになったジャンヌ弟から聞かされた。
ほう。あいつらあんな関係になったというのか。ふむ。お似合いではあるがな。
「用はそれだけか?」
ジャンヌ弟「ラムザ兄ちゃん。お姉ちゃんとられちゃうよ?良いの?」
「うむ。イシュアンなら悪くあるまい。やつなら、ジャンヌに永遠の命、不老不死をも与えられるだろう。」
ジャンヌ弟「おれ、あんなイケメンなお義兄いちゃんなんて嫌だよ。ラムザ兄ちゃんくらいが
ちょうどいいんだ。」
おう。照れる。なんてかわいいちびっ子坊やだ。
「だがな。好きだの嫌いだのは本人に選ばせる事だ。せっかくこの屋敷の公爵殿は身分は
一つの要因という柔軟な発想をしておられる。」
「なのに、家族が本人の人生に意見を入れては元も子もない。この話は終わりだな。」
ジャンヌ弟「じゃあ、お姉ちゃんと結婚してくれる?」
「分かった。分かった。ジャンヌ本人がその気ならな。」
周りが必死に恋愛フラグ作りに来ている気がしないでもない。果たして?