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サムライは異世界に行った  作者: @METAMETA
第三章 暴走ダンジョン
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前途洋洋 ぜんとようよう

前途洋洋 ぜんとようよう

今後の人生が大きく開けていて、希望に満ちあふれているさま



 かの国ではパレードが行われていた。

“花のイブキ組” と、勇者クラン “栄光の導き” が最上位のダンジョンを攻略したお祝いだ。きれいに飾られた魔動車が埋め尽くされた国民の間をゆっくり進む。


“キャー、シャルロット様よ!”  “兄貴!お帰りなすって!”

“アイリーン様、シンシア様、こっち向いてー”  兄貴、よくぞご無事で!“

”フレイヤちゃん、エリザベスちゃん素敵!“  ”お待ちしておりやした!”

“アリス様、ソーニャ様、メイ様、レイチェル様、みんなお揃いよ!“


国民から花が投げられる。街中花で彩られている。


『姉さん、あっしゃ、あっしゃ、やりやしたぜ!見ておくんなせえ!貴賤問わず、中央の奴も、郊外のやつも、みんな笑顔ですぜ!イブキ姉さん!!』


 この二つのクランはトリプルSのさらに上、フォースSクランとして伝説のクランとなった。

 街道では学生たちも一緒に花を送っていた。


『ねえ、アンリ』


『イブキって、あのイブキさんじゃないよね』


『お兄さんが冒険者の?最初だけで直ぐに転校されたイブキさん?』


『ないない!お体よろしくなかったイブキさん、ないない!なんか、すごい強い女冒険者って話だよ』





『新入学の皆さん、在校生の皆さん、新しい校長先生、サモンジ校長からのご挨拶です』


 暫くギルド長が兼務していた冒険者学校の校長も、ようやく専任の校長が赴任した。今日は新入生の入学式も重なり、全校生徒への挨拶となった。


 ”ずいっ” とサモンジが高台に立つ。良く通るしわがれ声で始めた。


『新入生の皆さん、在校生の皆さん。サモンジと申します。命がけの冒険者を目指す皆さんに私からメッセージがございます』



いいか、てめーら!!


てめえらの金玉に誓え!


金玉ねえ奴はお前のもっとも大事な何かに誓え!


つまらん生きざまを見せんじゃねえぞ!


下見るな!  上を見ろ!


常識を覆せ!  生きざまを飾れ!


お前ら自分を誇れ!  誰が見てなくとも!


お前らの生きざまは! このワシが見ててやる!


誰かにではない! このワシに対してカッコつけろ!


金玉にイブキの名を刻め!




サムライは異世界に行った  完


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