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サムライは異世界に行った  作者: @METAMETA
第三章 暴走ダンジョン
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面目一新 めんもくいっしん

面目一新 めんもくいっしん

世間の評判が一新して、それまでとは違う高い評価を得ること。また、外見や内容が全く新しく変わること


 弐号機を見た。壱号機と同じように前後マントで覆われている。ゴツゴツがなくなり優しく見える。

 角はある。尻尾がある。私達用の弐号機とお揃いの私とカグラ用のフルアーマー防具と武器がある。

 カグラを見た。うっとうしいでかい乳がまだある。角がある。えっ!角?


『どうしたの、イブキ』


『角!』


 私は慌ててお尻を確認する。


『ぎゃー―――!!!、尻尾がある!尻尾が!!!!』


 まてまて、尻尾は些事だ、些事に決まっている。恐る恐る、股間を、股間を、触りにきたカグラを殴り飛ばす。股間を覗く・・・・。


 なかった。兄さん、姉さん、私は妹の立場を死守してございます。


 イブキとカグラが転移してきた。


『ユキ姉さん!!!』


 イブキがユキに抱き着き、おいおい泣いている。そっとユキがイブキの背を撫ぜあやす。


『しっぽが、尻尾が!!』


『あら、弐号機とカグラと同調したのね』


『ゲンジ、みてよ僕に角が生えたよ!』


『なんでお前は自慢モードやねん!』


『だって、可愛くない?』


『ガー!!!可愛いに決まっとるやろがい!、可憐で可愛いブラコン女王イブキさまと同じ角を賜ったカグラが可愛いくなったのは自明じゃー!兄さんが強いとか、ユキ姉さんは清いとか当たり前のことなんじゃ!それに引き換え、邪悪なエロ魔王、邪なシンボルである尻尾が、尻尾が生えたこの私を心配せんかい!』


『あら、イブキちゃん、尻尾が生えて益々可愛くみえるけど』


『・・・・・・・』


『ゆ、ユキ姉さん!ヒック、、、ヒック、嬉しいです。姉さんがそう言ってくれて、私は一生姉さんの妹です。娘です。手足です!ヒック!』


『ゲンジ、僕はどう』


『角と尻尾でお前ら双子みたいだな。背格好も同じで。まあ、ある部分を覗いてだがな』


『兄さん!わかりました。この限られた資源の無駄、殿方を誘惑する悪魔のトラップ、カグラのでか乳討伐のクエスト、兄さん!承りました!』


『イブキ、やめてよ。その殺気だすの。違うよ。ゲンジは一物と金玉のことを言ったんだよ。イブキにはないでしょ』


『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』


『姉さんの前で・・・姉さんの御前で・・・その・・・、その汚らわしい4+4言うな!!!!おのれカグラ、そこに直れ!そのでかい乳と共にそれらもまとめて成敗じゃー!!!!』


『イブキ、目が、目が真剣だよ。ジョークだよね。いつものジョークだよね』


『カグラー-!』


『ヤーーーー』


 逃げるカグラ、追うイブキ、今日も息が合っている。


『イブキさん!』


『・・・・・・・・』


『あ、あらエスワットさん、ご、ご、ごきげんよう。どうなされたんですの・・お兄様の小屋まで・・・』


『イブキさんにお願いがありまして、ナバラさまにお聞きしたらこちらのアイランドにおられるとのことでしたから、来てしまいました。ゲンジ様、ユキ様、カグラ様、ごきげんよう』


『今お話ししてもよろしいかしら。その、お取込み中でなければいいのですが・・』


『あ、あらエスワットさん、カグラさんのおふざけがすぎるので、そ、その、“おやめてください”ってお願いしておりましたのよ。カグラ君、そうですわよね。ホホホ!』


『いてて、エスワット、久しぶり!見てよこのたんこぶ。イブキがさ』


 カグラがイブキのマントの中に消えた。


『な、なんだかカグラさんは急用みたいですの。ほほほほ』


『それはそうと、ご用件をお聞きしてもよろしいでしょうか』


『イブキさん。ナバラ様がおっしゃるにはイブキさんが適任とのことだったので、相談させてください。この暴走ダンジョンから濃縮した魔力をパイプラインで繋いでいる作業を進めています』


『材料はやっと揃い、王国まで繋げているのですが、まだ、完全な接続ができておらず、漏れ出した濃い魔力に引き寄せられて魔物が集まっててしまったのです。アタッカークランの皆さまは火口内の安定化で手が足りず、Aステージの冒険者クランの皆さまで頑張って支えていただいている状況なのです』


『どうか、このパイプライン敷設域の魔物の討伐をお願いできますでしょうか。なぜナバラ様がイブキさんに頼めと言ったのかわかりませんが、もし難しいなら、、あの、、ゲンジ様、私とご一緒にゲンジ様、私の願いを、私を・・・・。いかがでしょうか』


『イブキだな、イブキ、どうだ』


『け、けど、お兄様、私がそんな、魔物なんて、小さなアリすら殺めることができない、私なんか、』


『では!ゲンジ様、どうか、どうか、私にお情けを頂戴できないでしょうか』


 太陽の様な笑顔と、ウルウルした瞳、でかい乳を兄に押し付け気味だ。若干引き気味の兄・・・、


『やりまーす!』


『・・・・・』


『あ、あらやだ、私でよろしければ、お手伝いさせていただきますわ、エスワットさん』


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