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サムライは異世界に行った  作者: @METAMETA
第二章 ダンジョン
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合縁奇縁 あいえんきえん

合縁奇縁 あいえんきえん

不思議なめぐり合わせの縁。人と人とが互いに気心が合うかどうかは、みな因縁という不思議な力によるものであるということ



『いやいや、兄さんの答えは決まっている、姉さんは付いて行かれる、兄さんと姉さんの一心同体ワタクシメも当然行きます。たとえ火の中水の中、姉さんのつゆ払いは私の仕事、さあさあ、行きましょう! 今から行きましょう! 何の未練もございません。不肖イブキは何処までも、兄さん姉さんの娘でございます!こちと、うがっ!!』


 ユキが出してくれたケーキを突っ込んだ。


「行くのはそうだが、まあイブキとユキだな。ユキはナビゲーターとしてサポートのやり方は向こうでも変わらないのか?」


『基本的に同じです』 


「イブキは行けるのか?」


『実力的には行けます。但し第五階層攻略の資格が必要です。あと、イブキちゃんのナビゲーターをギルドが準備する必要があります』


『え! そうなんですか。そうですね。ユキ姉さんと兄さんの契りに入り込む余地はございません。どうか手前に良き方を、姉さんよろしくお願いします!』


『イブキちゃん心配しないでね。実は前線から一人会いたいって同僚が来てるのよ』


『さすが姉さん、ありがとうございます!どんなお方ですか、殿方だったら兄さん似の渋みが走ったストイック野郎、あねさんだったらユキ姉さんのような清楚で癒しのパワーで包み込み、気合と覚悟の土台あるお方が望みです』


『どっちでもないけど・・・・』


 会話が続くが、そうであれば今回入手できたミスリルはイブキの武具にすること、明日からは二人の鍛錬とイブキの第五階層への切符を優先することを決めた。イブキのパートナーが来ているのであれば連れていくべきだな。


 イブキは全てのミスリルを薙刀へ加工した。最上階の武器屋の錬金術士はその場でミスリルの加工を行ってくれた。今回入手できたインゴット6本、全部だ。

 イブキは自分の愛刀のイメージを流し込み、赤い柄を持つ巨大な薙刀を成形し、ほれぼれと眺め離さなかった。ミスリス武器を得たので、もう学校は最後の日しか行かないらしい。俺とイブキの武器、防具の整備、ユキの武器、防具の調達を武器屋で行う。ユキには武器として俺のミスリスの小刀を渡した。防具は俺やイブキに合わせ赤と黒の色合いにしていた。 


 上位ダンジョンに向かう。ユキも暴走ダンジョンに備え、感覚を磨きたいという理由で同行を希望した。

 第一階層の突破をイブキとユキに任せる。俺は観ているだけだ。二人は意識を繋げ、呼吸のあった連携でボスのオーガを撃破する。第二階層のミノタウルスをも問題なく二人で突破した。

 施設に帰り、風呂に入った後、最上階で飯を食いながらユキを待っていた。イブキのパートナー候補を連れて来るらしい。


『お待たせしました。紹介させてください。カグラです』


 そこにはイブキと同世代くらいの?美少女?尻尾が・・・・。


『よろしくお願いするよ。僕はカグラだ。イブキはあなただね。僕はユキの八識の弟子だね』


『どっひゃー、女?』


『ああ、そうだね。女でもないよ。両性なんだ』


『・・・・・・』


『ほら』


 カグラは微笑んだままイブキの手をとり、股間に導く。


『ギャー!!!何してくれてんねん。少女のわたしに股間握らすって、なんですねん!変態!変態っすよ!姉さん!なんですか、この男?この女?なんで胸がわたしよりでかいねん!!』


『ああ、そうだね』


 またイブキの手をとって胸に導く。


『ギャー!!!なんでんねん、ブラはブラ!!ブラはどこじゃ!ノーブラは懲役10年じゃー!女?』


『いや、だから両性だ。もう一度確認したいのかい?』


 カグラから逃げるようにユキの後ろに隠れたイブキの手を尻尾で掴み、股間に導く。


『ギャー!!!わかっとるわい!さっき触ったわ!姉さん、怖いっす、これは何の魔物なんですか』


 ユキの後ろに逃げるイブキ、


『ああ、僕はイブキに危害を加えるつもりはないよ。それと魔物ではないよ。確認する?』


『な、何服脱ごうしてんねん!ここは紳士、淑女のおわす神聖な場所じゃー!もうええわ!姉さん助けて!』


 直ぐに打ち解けたようだ。

 カグラはイブキの手を三度とった。イブキが油断していたとはいえ、只者ではないことがわかった。

 明日から4人でダンジョンに潜ること、朝の鍛錬にカグラも参加することを確認し分かれた。イブキとカグラは契約を結ぶため、ユキの部屋に行くようだ。


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