第二十話 最強対最強
女「はあぁ!!」
京太「おらぁ!!」
お互いの力が、ぶつかり合う。
あれからどれくらいの時間が過ぎただろうか?それくらいわからないくらい、俺はこの戦いを楽しんでいた。
女は、空中で浮かびながら、気を溜めた拳をこちらに向かって突き出す。俺もそれに対抗するように、5割ほどの力の拳を突き出す。
そうして、拳と拳がぶつかり合う。
瞬間、とてつもない衝撃が辺りに轟く。
その衝撃により、俺と白コートの女はお互いに後ろに弾かれる。
女「結構、やるじゃないの」
京太「お前もな」
女は少し疲れた様子だったが、俺は汗ひとつかいていなかった。だが、彼女の表情は余裕そうに笑っていた。それは、絶対に勝てると確信を持っている目で笑みを浮かべていた。
京太「……に、しても。よくこの状況で笑っていられるな。どう考えたって、体力的には俺が優勢だって言うのに。だが、最強っていうのはあながち間違いでもねぇかもしれねえな」
俺は、目の前の女をよく見る。
女の見た目は、白いフードの付いたコートを身に纏っており、しかもそのフードの謎の力で女の顔が隠れていた。フードからはみ出た綺麗な黒髪を、白い髪留めがひとまとまりに結いでおり、足には赤と黒のスカートとその下に白のインナーパンツを履いており、靴は灰色のブーツを履いていた。じっくりと見れば、スタイルの良い女の子にしか見えないだろう。だが、その華奢な体では考えられないほどの力をあの女は持っていた。……つまり、女は高いレベルとステータスを持っているということになる。
女「そんなまじまじと女の体を品定めするように見つめないでもらえないかしら……とってもキモいわよ」
京太「おっとすまんな。その体のどこにそんな怪力があるのか気になってしまってね」
女「知らないわ、気づいたら強くなってたのよ。……というか、あなたも随分と余裕こいてるみたいだけど、大丈夫??今のうちに本気になった方がいいじゃない?じゃないと、思わぬところで足元すくわれるかもよ」
女はそう言うと、周りにあった瓦礫達を浮かせて、それを全て俺に向かって飛ばしてきた。そのスピードは、常人では目で追えないほどの速度でこちらに飛んできていた。俺は思わず困惑してしまい、避けに動く事ができなかった。俺は、なんとかそれをガードして全て受けきってやった。だが、速度と重みの乗った瓦礫を当てられ、俺は血が出るほどの傷を腕に負ってしまった。
女「どう?これが私の力よ。何者にも引けを取らない最強のチート能力。私はこの力で、どんな事も可能にできちゃうの、空想のまま自由にね」
京太「なるほど……。これがお前の能力というわけか。たしかに凄いな……だが、それが俺にどこまで通用するかな?」
女「通用させるわよ。ここであなたを倒して、それを証明するわ。だって私は、最強の能力者なんだから」
京太「随分と最強を自負してるんだな。それだけ自信があるって事か??」
女「当たり前でしょ。今まで私は、誰にだって負けてこなかった。多くの手練れ共を相手にしてきたけど……それでも、私は一度だって負けたことがないわ。だから私は、これからもみんなの為に負けるわけには行かないのよ」
なるほどな。つまりあいつは、何かを背負って俺の前に立ち、俺に挑んできたということか。
京太「だったら来いよ。お前のその自信を、この俺が打ち砕いてやるからよ!!」
女「安心しなさい、そんな事には絶対にならないのだから!」
そうして、俺たちはまたぶつかり合った。女は、俺に攻撃をしつつ、そこらにある瓦礫を浮かせて、隙を見て飛ばしてくる。だが、一度見せられた技を俺が受けるはずもなく。
京太「二度も受けるかよ!?」
俺はそれを難なく避けて、その向かってきた瓦礫たちを拳一つで粉々に粉砕した。
女「んなっ!?」
京太「ぼーっとしてんじゃねぇよ…」
さっきの事で唖然としていた女に、俺は冷静さを取り戻す前に急接近し、そんな言葉を呟きながら女めがけてその拳を振るった。すると、女はギリギリのところでその拳を受け止め、カウンターをしにきた。俺は咄嗟に未来を視て、その攻撃を何とか避けて、一度距離を取った。次に彼女からの猛スピードの突進。俺はタイミングよく、当たるスレスレでそれを避け、女の真横に回り、横腹目掛けて力強い張り手で遠くに押し出した。女は壁に体を打ち付けたがどうやら受身を取っていたようで、そこまでダメージを打っているようには見えなかった。また、女がこちらに向けて猛スピードで突撃する。俺は身構えてタイミングを図ろうとした。だか、女は予想外の行動に出た。間合いに入ったその一瞬の間に、俺の真上を飛び上がったのだ。俺は唖然として、そのフェイントに引っ掛かってしまって……。
次の瞬間。真横から大きな瓦礫の壁が左右同時に迫ってきていた。そして、俺はそれをギリギリのところで両手で潰されないように抑える。
女「とうとう、あなたの動きを封じてやったわ」
京太「なるほど、最初っからこれが目的か……」
してやられた、と言った顔で俺はそいつを睨みつけた。
女「もともと私は、アンタを捕らえて敵の情報を聞き出そうと思っていたのよ。でも、あなたがあまりにもしぶとかったから、少し方法を変えたの……こうやって、身動き取れないようにしたりね」
京太「咄嗟に思いついたにしちゃ、よく考えたじゃねえか。でも残念、悪いが俺はそこまでいい情報は持っていないぜ。それに、俺が何者なのかもわかってないお前に話すわけが」
女「黒宮京太。年齢は19歳。身長170センチ体重63キロ。能力は未来を視る、能力値は最低の22と最低値。弱小クラスと呼ばれるFクラスで最弱と呼ばれている。これが私たちの知るあなたの情報」
京太「なるほど、お前らには俺の事も学校の生徒も何もかもお見通しということか」
女「別に全てとは言ってないわ。でも、この情報を見る限り……不可解よねー。あなた、どうやってこの学校の生徒になったの?」
京太「……なんの話だ?」
女「惚けないでちょうだい。私たちにはわかってるのよ、この学校の仕組みってものがね。あの学校は、能力値の高さによってランク付けがされていて、AからFまでのクラスで50ずつごとに数値がわけられてる。例えばBクラスの基準は250から299、Cなら200から249と、分けられているってわけ。そして、あなたのクラスは最低のFクラス。考えてみれば、なにか納得できないと思わない?」
俺は、この女がなにが言いたいのか、すぐに理解した。だから俺は笑いながら、あえて自分から言った。
京太「入学するための能力値の最低基準50よりも低い事、だろ?だが、それがどうしたんだ??」
女「どうしたって……どう考えたっておかしいでしょ。そんな雑魚みたいな能力値で入学できるなんてどう考えたっておかしいわ」
京太「そうかな…?案外実力で認められてギリ入学を許された可能性もあるかもよ??」
女「にしては、あなたの経歴は何も書かれてなさすぎよ。年齢は割とあるし、どこ生まれなのかも細かい情報は何一つとして記載されていない。それに、あそこは悪魔で数値の高さを重視している能力者の学校。そんな学校で、実力だけであなたが入学できる可能性は満に一つとしてないわ」
「だとすれば、もう答えは決まったも同然。あなたがこうして外に出てこられているのも、青コートを着た女と話しているのも、全てはあなたが敵組織の仲間であることの証明になる。さあ、ここまで聞いてあなたから何か反論はあるかしら?流石に、これ以上言われたんじゃ、自分の正体を明かすしかないんじゃない?」
京太「さ〜〜て、どうなんだろうな??」
俺は、嘲笑をしながら。
京太「本当にそうか、俺に勝てたら教えてやるよ」
女「こんな状況でよくそんなにも余裕でいられるわね。往生際が悪いのはいい事だけど、そろそろ辛くなってきたんじゃ無いの。それにまず、この状況でどう戦おうというの?こうやって、身動きを封じられている時点で、負けたも同然じゃない。少しでも力を抜けば押しつぶされるであろう今を、どう打開するつもり??」
京太「……簡単さ」
俺は左右から押してくる瓦礫の壁に、自分の気を流す。数秒後、その壁は破裂するかのような音を立てながら爆散した。
京太「ほら、簡単だって言ったろ?それに、勝負はまだ終わったわけじゃない、ここからが本番なのさ」
女「……な、まさか。そんな」
女はその光景を目の当たりにして愕然とした表情になっていた。
京太「にしても凄いなぁ〜、気ってやつはよう。全身に流すだけで周りの空気すらも牛耳れるなんてよ」
遥香との戦いの時も、俺は全身から突風を放って、遥香の攻撃を弾き返していた。この力が、俺限定のものなのか、もしくは誰でもできるのかは定かでは無いが……それでも。戦闘の幅が多くなったという事はわかった。さて、あの時は満足にこの力を使えなかったからな、いっちょ使っていこうじゃないか。
……この気という力を、この戦いで存分にな!
京太「さあ、第二回戦と行こうじゃないか!今度こそお前のその自信を、この俺が完膚なきまでに打ち砕いてやる!!」
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