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過去の転生勇者が色々やっちまって、異世界ライフがシビアなんですが。  作者: 逆霧@ファンタジア文庫よりデビューしました。
第三章 ゲネブの省吾 ~独立編~

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89.ジロー屋での雑談

おはようございます。

 

 俺が手伝ったのもあり、スライムの捕獲依頼はお昼くらいには終了に出来た。役人も樽の中を確認して、今日は早く貯まったなあと驚いていたが。特に何かを聞いてくること無く依頼の完了書を出してくれた。


「もしよければ飯でもいかねえか? おごるぜ?」


 そう声をかけると3人とも喜んで付いてくる。

 いつものジロー屋に行くわけだが。やはりこの店はあまり混んでいないよな。こういうジャンクな食べ物はもっと西側の地区に出したほうがいいんじゃね? なんて思うが、元貴族の料理人という立場でのプライド的な物があるのだろうか。


「お兄ちゃん、<魔力視>まで持ってるんだね。色々小器用だよね?」


 そう聞いてくるのは。オーヴィだ。スラムの子だが生まれつき土魔法を使える子だ。それだけに俺の持つスキルに興味があるんだろうか。


「これは訓練だからなあ。と言っても魔力斬の練習をしまくって武器に魔力を纏うのを一生懸命見ているうちに発生したもんだからな。スライム捕まえるのに使えたのはたまたまだぞ?」

「魔力は使えるんだよね。魔法は何か使えたりするの?」

「んまあ、光魔法は覚えてる。<光源>を今必死に育ててる感じだ」

「光じゃなかなか攻撃には使えなそうだね」

「それでも火をおこしたり出来る様になったぜ。そのうち実戦にも使えるようになると良いんだけど」


 <光源>を集中させて熱を発生させる話をするとオーヴィはちょっと驚いている。まだレーザーの熱量を増やす事まで出来ていないので、そのうちもっと練習したいんだが。<ノイズ>はもうちょい内緒で行こう。


 そう言えば、以前オーヴィに魔法のエレメントの話を聞いたが、光をエレメント変換出来るかという練習が全然コツを掴めないまま中途半端になってたな。<ノイズ>の練習ばっかりになってたからな。いまいち感覚が掴めないんだが、少しそこら辺の感覚を聞いてみるが、やっぱり感覚なので分かるような分からないようなだ。


「そう言えば、オヤジさん。勇者の光魔法についてなにか知ってます?」

「ん? あまり詳しくは知らないが、普通に光の攻撃魔法の<光矢>とかじゃないのか? あと上位の<光雨>とか」


 むう。<光矢>か、<光束>とは違うのかな。<光源>を集めた光のエネルギーの塊を飛ばすだけの感じなのか? ファイヤーボールとかと同じかな? <光雨>は<光矢>の範囲攻撃版かな。そのうち覚えられると良いのだが。とりあえず今は<光源>のレベルを上げたいよな。



 ジローは、リンクたちにも好評だったようでウメエ! ウメエ! と興奮して食べてる。1人女の子のモナは少し少なめの盛りになっていた。


「ちょっと聞きたいんだけどさ。リンクより年下の子達って保証金が払えなくて冒険者登録出来ないって話があったじゃん? 今は何してるの?」

「ん? やっぱ仕事は厳しいよな。農業とかの早朝の募集見に行ったりして少し小遣いは稼いでるけどな」

「ああ、一応は仕事はあるのか」

「だけど、ギルドに所属していないと足元見られるんだよ。ギルドの報酬の半分くらいでやってるぜ。まったくどうしろって言うんだよな」


 2年ほど前にギルド長が新しく変わり、その後新しいギルド長の方針とやらで身分証の無い者がギルドに登録をする際に保証金として2万モルズを支払う必要がある。当然スラムの子どもたちは身分証など持っているはずもなく、請求されることになるのだが。そんな子どもたちに30万円もの保証金が支払えるわけはない。


 それでも、分割で登録するのもいるようだが普通にランクが上がる大人と比べ、15歳以下の子供はGランク固定のまま4割の手数料を支払いながら、ローンを返し。さらに分割支払の手数料2000モルズを毎月支払うのは不可能に感じる。


 新規の冒険者登録が減っているだろうが、貴族出といわれるギルド長はこれでギルドに所属する冒険者の質を上げたいらしいが。当然、G、Fランク向けの雑用の依頼はだぶついてくる。ここ数ヶ月で指名依頼が増えた分、上手く回る依頼もあるだろうが、旨味の少ない依頼は数ヶ月受けるものがいないまま放置されている現状だ。これはギルドの信用も落ちるんじゃないかとも思うのだが。


「なんとなくさ、そろそろギルドに愛想つき始めてるんだよな。ここ数ヶ月で依頼者に顔も売ったりしてるし、独立して個人で依頼を受けようかと思ってて」

「まじで? やっぱ兄ちゃんチャレンジャーだな」

「商業ギルドの方で少しコネがあるからさ、そっちで商売として登録させてもらえればなんとかなるんじゃねえかと。で、その時に1人じゃ受けられる依頼も限界があるだろうから、もし人手が必要になったりしたら、スラムの子とか手伝ってもらえるかなって思ってな」

「おお、もしそれでちゃんと仕事にありつけるならウチらも助かるわ。ギルドだと12歳から一応Gランクで登録できるんだけど、それより上だとまあ、今は1人しか居ないけどな、上手く頑張って雇ってくれよ」



 そんな事を話しながら昼飯を終えるが、まだ時間が早い感じがする。

 どうせだからもう一回スライムの捕獲してくるか? と提案すると、俺が見つけてくれるならやりたいとの事だったので、本日2回目のスライム捕獲依頼を受けた。


 大した報酬ではないが、1日2回回せるのなら、意外と旨いのかもしれない。依頼数を稼ぐ意味でもありだよな。多分オレ1人なら1日で4回くらい回せそうだし。もう辞める辞める言いながら、人間ってのは環境を変えるのに少々エネルギーを使うからな。これで依頼数を貯めて文句言えなくしてランクアップするのなら……なんて考えがまったく無いわけじゃないが。


 2回目の捕獲作業も、そんなに時間を掛けずに終え、役人も「今日はスライムが大量に発生したのか?」なんて言っていた。単純に1日の報酬が2倍になったリンク達も満足げに家に帰っていった。


ありがとうございます。

そろそろ話を動かさないとぐだぐだになっちゃいますかね。

うん。

がんばります。

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