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過去の転生勇者が色々やっちまって、異世界ライフがシビアなんですが。  作者: 逆霧@ファンタジア文庫よりデビューしました。
第七章 閉ざされた島

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280.プレジウソの相談

こんちわ。

なんとかアップ出来ましたあ。

プレジウソは先の話のように商人達とは直接的な敵対行動をしないようにしていた。まあ無口なキャラだから見ていてほとんど絡みもないのだし、おそらくモルニア商会の方も司祭であるプレジウソに対しては距離をとっている感じもあるようだ。本人としてはこれからどうやって彼らの狙いを探っていくのか、進捗がいささか不安な感じだ。



 ……それにしても何だって俺に相談しに来るんだ。



「いやちょっと……俺に聞かれてもそんな宗教戦争の話なんて分からないっすよ」

「別に戦争ではない。奴らにとって聖地と言っても良いこの島で、一体何をしようと考えているのかをまず知りたいんだ」

「とは言ってもですよ。そんな事僕が聞いたって教えてくれるわけ無いじゃないですか、ネライ子爵とかと相談したほうが良いんじゃないですか?」

「子爵は国の人間だ。我々とは歩みが違う」

「いやあ……僕だって歩みが違うと思いますよ?」


 なんか、クールガイな感じなんだけどな。天然なのか? 先日俺たちがアンデッドを始末したのが良かったのか、モルニア商会との関わり方でのアドバイスが良かったのか、はたまたみつ子の聖魔法の話を聞きつけてきたのかわからないが。プレジウソはどうやら俺たちに好印象を抱いているようだ。

 困っているとみつ子が助け舟を出してくる。プレジウソにだ。


「省吾君、教会の関係者ってプレジウソさんしか居ないし、相談できる人が居ないんじゃないかな?」

「まさにその通りだよ。うまく行けば君たちにはそれなりの謝礼を用意できる。それに、サクラ商事はゲネブ大聖堂といい関係を築いていると聞いている。司祭のレベル上げを手伝ったり、色々と魔法を購入してくれているらしいじゃないか」

「げ……個人情報っすよそれ」

「個人情報? なんだそれは」


 うう、やはり教会は一つの塊で怖い組織だ。今回の任務前に色々と調べてきたのだろうか。むう……いたしかたないか。俺は奥の部屋に向かって声をかける。


「フルリエ~ ちょっといいか?」


 しばらくすると、フルリエが出てくる。今は奥の部屋で何人かでボードゲームをやっていた。これは俺たちが大陸から持ち込んだものなのだが、実は開発したのはユタカだ。なんとなく気になって船に乗る前に街の雑貨屋で買ったものだ。


「あら。ショーゴさん何かお仕事かしら?」

「うんまあ、モルニア商会の人たちいるじゃん。ちょっと探ってもらって良いかな?」

「ん~。あの白い人たちね? でもあの人達シュトルム連邦の人でしょ?」

「そうだね、なにか問題が?」

「シュトルムの言葉なんて私わからないわよ? 共用語は私達と話すときくらいしか使わないのじゃない?」

「あ……」


 そうか、言語の壁かよ。俺かみつ子なら<言語理解>を持ってるのでどんな言葉でもわかるが、隠密系のスキルは俺たち二人共持ってないしなあ。

 こっそり調べる作戦は無しか……。


「ワシがついてってやろう」


 話を聞いていたゾディアックが声を掛けてくる……まじか。また感知すり抜けてきやがった。


「え? もしかして爺さんシュトルムの言葉分かるの?」

「年の功ってやつじゃな」

「隠密系のスキルは……大丈夫そうだね。ていうか爺さんそっと近づくのさ、心臓に悪いからやめて」

「ふぉっふぉっふぉ。おヌシは感知に頼り過ぎなんじゃよ。スキル以外の知覚をもっと大事にせい」

「ううむ。まあ、気をつけるさ。じゃあ、フルリエ、爺さんと2人でお願いしていいか?」

「良いわよ」


 うちの社員じゃフルリエの隠密技術が最も優れていたと思うのだが、残念ながら完全にゾディアックのほうが上だな。色々教えてもらうのも良いかもしれない。



 2人は軽く用意をすると、散歩でも行ってくると言った感じで出ていく。プレジウソにじゃあ、結果を待っていてと別れの言葉を言おうとするが話はまだ終わらないらしい。


「ちなみに、ショーゴ君はどう考えている?」

「うーん。この村の人達にとってはモルニア商会の人達は大陸の品物を運んでくれる大事な人達なので、僕らなんかよりずっと信頼は集めているんですよね」

「それは聞いている。この村には教会も無いからな。村での布教活動も視野に入れている」

「布教ですか……」

「ん? 何か問題があるのか?」


 そうか、宗教関係者は布教活動を通じて村の人達と強く結びついていくという考えをするんだな。やっぱり日本人には少し苦手な感覚だ。ただ……ネライ子爵にした話の感じだと、村人を大陸へ移住させる方向で話を進めたい感じだったと思うんだが……。わざわざ布教を初めて根付く頃には皆大陸に引っ越しを始めていたりするのかもしれないな。


 移住か……その話は知ってるのか?


「この前ネライ子爵と話したんですけど。この島の住人は大陸に引っ越しをさせるべきだだと」

「何? 引っ越し?」


 先日ネライ子爵と話した事を再び伝える。教会でも血の濃くなる事の問題は知られているのだろう。話を聞くと「なるほど……」と考え込む。


「そうすると、放棄された村は、スラバ教団が聖地として使うようになるのか?」

「ああああ。そうか。教会的にはそれはまずいですよね?」

「そうだな。誰も居ない島で、遺跡を使ってヨグ神の復活を計画されたりしたら……止める手立ては無い」

「倒された神が復活とかあるんですか?」

「分からない。だがスラバ教団の教義はヨグ神の復活だと聞く。捨て置けないな」


 と言われてもな、俺としてはどうしていいかわからない。


 遺跡かあ。過去の勇者であるユタカは、妻でもある聖女を連れて封印したという。ノートによると<聖刻>を施した石などで周りを固めそ、のまま土で埋めたということだった。同じように聖刻でヨグ神の遺跡の呪いを封じ込めるような事が出来れば、彼らへの牽制になるかもしれない。

 そうだ。プレジウソも<聖刻>を使えるのなら、一緒にやればみつ子の労力も減って効率は良いのかも知れないな。


「あの、プレジウソさんは<聖刻>を使えますか?」

「ん? ああ。そうだな」

「過去の勇者が、そのヨグの遺跡を封印したんですがそれがどうやら壊れてきているみたいなんです。それでその封印を僕もトライしてみようと思うのですが、もし<聖刻>を使っていただけるなら助かるんです」

「ヨグの遺跡を封印?」

「はい」


 そして過去の勇者の残した資料に、遺跡を封印した時の記載が載っていたことを話し。そのやり方を僕らもやろうと考えていることを伝える。遺跡の存在についてはプレジウソとしては話は聞いていたが本当にあるのかは教会でも意見は別れていたようだ。

 それがある事がわかれば勿論参加する方向になる。


 早速封印作戦にプレジウソも交えた計画を考えていくことにする。


ありがとうございます。

いよいよ、この章の山場的な遺跡封印にむけて話を進めていきます。

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