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過去の転生勇者が色々やっちまって、異世界ライフがシビアなんですが。  作者: 逆霧@ファンタジア文庫よりデビューしました。
第六章 ゲネブの省吾~続謎の珠編~

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182/308

182.この国の服装の話。

おはようございます。

ちょっと今回はマニアックに自己満足の回ですw

 次の日、正装の服など買うというと嬉しそうにみつ子が付いてくる。私も作りたいなあなんて言っているが、館には顔を出す予定は無いはずだよな。


 初めて行く店ではやはり俺の頭上に浮かんでいる珠に警戒をさせてしまう。いつものように説明をして、警戒を説いてもらい。何もわからないのでお店の方に正装の服を選んでもらう。


「正装と申しますと、結婚式などでしょうか」

「えっと、今度国王陛下がいらっしゃる時の料理人の手伝いをすることになりまして、もしかしたら陛下の前に出ることもあるかもしれないから用意しろと……」

「おお、それは光栄なお話ですね。その機会が有ると良いですね」


 紳士な店員さんは、国王に会うかもしれないという話にテンションを上げる。こっちは逆にテンション下げ目なんですけどね。



 この世界にはワイシャツやポロシャツなどのような襟の付いた服は存在しない。いや、それっぽいのを見たことはあるが地球で見る襟とはちょっと違う。襟なしのワイシャツみたいな物が日本であったが、そんな感じの服になっている。この国で正装と呼ばれる服は、真っ白な襟なしのワイシャツもしくはボタンのないTシャツの様なものを下に着て、上着に黒系統のこれまた襟のないジャケットの様な物を羽織る。

 一般の人達は感覚的にカーデガンみたいな感じの物を羽織っていることが多いが、正装となると首元までボタンを止められる物になるようだ。


 仕立て屋さんの話を聞くと、どうも武具を簡略化して衣服として発展させたようでボタンも中心でなく肩口から下に続くような形で付いている、昔は真ん中のラインに甲殻系の魔物の素材等を入れて正中の急所をカバーする形だったらしい。今ではそこまでやるのは騎士等の礼服くらいだという。


 なんとなくウンチクを話すのが好きそうな店員さんのようで、こっちも色々聞いてしまう。


「でも縦だけだと心臓の辺りとかはあまり守れなくないですか?」

「そうですね、かつては胸のあたり全部にプロテクターが付けられたと聞きます。だんだん簡略化されて、心臓の高さに横にもラインを付けて……ちょうど十字に成る感じで、それでその部分だけ脇の辺りにボタンで止めていたんです。今でも飾りボタンがその部分についてるデザインもあるんですけどね、ここ100年位の間にデザインと着易さを優先して今の縦のラインだけのスタイルに変化していったんです」


 やべえ、こういう話楽しい。


 そして、襟の代わりにカラーと言われる元々首を守る鎧のパーツ的な物が簡略された様な物がそのジャケットには付いている。と言ってもボタンで止める形なので好みで好きな型を選べる。貴族などはカラーの代わりにスカーフのような物で首を隠したりと色々やり方は有るようなのだが、平民がそれをやることはまず無い。


 ネクタイとか結び方をあまり覚えてないので、そういうのが無いのは助かるかもな。


「この腕の所の生地が厚いのを貼ってあるのって、もしかしてアームガードの名残なのかな?」


 試着している俺の服を色々触りながらみつ子が聞く。


「はい。それも現在は簡略化されて正装としてはアームカバーの付いていた部分に厚めの生地を貼るのが正式なスタイルになっているんです」

「へえ、面白いですね~」


 みつ子も、異世界の服装事情にウキウキしている。


 ジャケットの形状も地球だと三つ揃えにシングルのスーツだったりダブルのスーツ。燕尾服やモーニングの様に色々有ったと思うが、この国では貴族の爵位等によって縫い方などに若干の違いがあるらしい。上位貴族になると、ベルトから前垂れを略した布を垂らしたりするという。


 確かに、日本で着るスーツなども襟の形とかいろいろなルーツがあった気がする、肘当てとか肩当て等、元々は英国紳士が狩りの時に着るスタイルだったりあったもんな。


 結局選んだ服だが、完全なオーダーだと料金も高いし、時間も間に合わない。出来合いの服を体に合わせて調節してもらうことにした。今が成長期なのか少しづつ大きくなってるので、もう少し成長してもある程度伸ばせるようにとそんなお願いも対応してくれるという。


 あまり着る機会は無さそうだが、ちょっと楽しかった。




 2日も有れば出来上がるというので注文を完了させて次は調理師の白衣を見に行く。こっちは領収書的なものを貰ってくれば領主からお金が帰ってくると言うのでだいぶ気は楽だ。


 本当のところは分からないが、日本のシェフの帽子って高ければ高いほど偉いんだっけ? まあそんな文化は無いのでとりあえず服だけ買って頭は布を縛っておけばいいかなと思っていたが、一応領主の館の料理人はお決まりの帽子が有るとのことでそれもお願いした。


 この料理人用の衣装。やっぱ最初のイメージはコックさんだったんだけどね。ちょっと違った。何ていうか割烹着っぽい服だ。ウェストなど紐でキュッと縛ったりする感じがちょっと違うのでそこらへんはゆるゆるなイメージの割烹着と違って体にフィットさせる感じだが、まあそんなもんなんだろう。


 みつ子は「手術着っぽいね」なんて言ってる。たしかに帽子までかぶればそんな感じかも。



 普段着ることのない服でも、世界が変わると文化が違って面白い。こういうのも国が変わればまた違ってくるかもしれないしな。もしかしたら日本の着物のような文化の国もあるかもしれない。


 あまり世界を見てみたいとか考えてないけど、そんな事を考えると色んな国を見てみるのも楽しいのかもしれないなあ、なんて思った。



「結婚式やるなら、あれ着ればいいよね」

「でも、この世界で結婚式ってやるのかなあ?」

「有るでしょ? アルストロメリアの仲間で結婚して冒険者辞めた子が居たけど、仲間で結婚式みたいにお祝いしたよ」

「そっか、あると言えばあるんだね。ウェディングドレスかあ……」

「あまり好きじゃない?」

「んと、そうじゃなくて。ウェディングドレスにGジャン羽織ってる女の子とか好きだなあとなんとなく」

「うわ、マニアック……」


 いや。普通だよな?

 手にはマシンガンとか。

ありがとうございます。

地元の知り合いの仕立て屋さんでスーツなどを作った時に。

色々うんちくを教わったことがありましてね。

そういう話好きだったので、異世界に当てはめてみちゃいました。


それでは、また明日。

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