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ジークの腕の中と飛竜
飛竜は湖で水を飲んでおり、ジークが行くとすぐに気づいた。
「ジーク、どうやって乗るの?」
「俺の背中には剣があるから、フィーネは俺の前に乗って。」
飛竜は首を下げたが、フィーネは初めての為か、上手く乗れず、モタモタしていた。
「フィーネ、少しすまん、」
ジークが、そう言うと、フィーネを抱き抱え、一緒に飛竜に乗った。
すると、飛竜はすぐに飛び立ち、あっという間に森の上空に出た。
「フィーネ?目を開けて、」
フィーネは目を開けると感動した。
「ジーク、すごいわ。あっという間に空よ。きゃ。」
フィーネは、飛竜の動きに慣れておらず、バランスが崩れそうになり、ジークの胸にしがみついた。
(フィーネ、なんて可愛いんだ!フィーネが俺の腕の中にいるなんて!)
ジークは、じーんと来ていた。
「ごめんね。ジーク、乗りにくいよね?」
「問題ない。」
ジークはずっとこのままがいいと思っていた。