ジークの動悸
フィーネは、ベッドにうつぶせになり、ぐるぐる考えた。
(ジークは何考えてるんだろ?さっきのは…、いや、ないない!…でも、美味しそうに、ご飯食べてくれたな。ジャンからも助けてくれたし、)
フィーネは、考えながらそのまま眠ってしまった。
一方、ジークは、振られたと思っていた。
(俺は何をやっているんだ!いきなり振られてしまった。本当は、ジャンの元へ行きたかったのか?いや、そんな事はない!フィーネは嫌がっていた。まさか、ジャンと同じように、したからか?やっぱり彼女はできない、いや、フィーネと付き合いたいんだ!だが、またジャンが来たらどうするんだ。もし、ジャンと付き合ったら、)
ジークも色々考えていたが、答えはなかった。
「クラウ・ソラス、お前ならいつも一緒なのにな。」
ジークは、大剣に話かけ、そのままリビングで眠ってしまった。
夜中に、フィーネは目が覚め水を飲みに行くと、リビングでジークが眠っていた。
「ブランケット出すの忘れてた。」
フィーネはブランケットをだし、そっと、ジークにかけた。
ジークの顔が見えるように、ソファーにもたれるように座ると、じっと見た。
(顔は格好いいのに、なんか不器用と言うか、なんだろうな。)
フィーネはジークの残念さに何となく気付くもはっきり分からなかった。
翌朝、チュンチュンと小鳥のさえずりでジークは目が覚めた。
(何故、フィーネがここにいるんだ。気配なんては感じなかったぞ!)
目の前にフィーネの寝顔があり、ジークはドキドキした。
そして、ブランケットをかけられていることに気がついた。
(まさか、俺の為にかけてくれたのか?)
ジークが起き上がると、フィーネはううん、と目を覚ました。
「す、すまん、起こしたか?」
フィーネは目を擦りながら?ハッとした。
「ごめんなさい!ブランケットかけるだけが、いつの間にか寝ちゃって!」
「大丈夫だ!気にしてない!いや、気にはなるが、その、フィーネ…」
「朝ご飯作るね。待っててね」
フィーネは顔を隠しキッチンへ走った。
(俺を避けたのか!?でも、朝ご飯を作ると、いや、しかし、何か盛られるかも。
だが、フィーネになら何を盛られてもいいな。)
ジークはフィーネで頭が一杯だった。