今日のクエストはすみました
次は、街道に出るバッファロー系の魔物だった。
「行くぞ!フィーネ!」
「ど、どうぞ。」
ジークは、あっという間に魔物を叩き切った。
「フィーネ!見たか!?」
「…見たけど、今日はお肉を遠慮するわ…」
魔物の血み泥でフィーネは口を抑え横を見ていた。
(何故だ!上手くいかない!)
ジークはまた地面に手を付き考えていた。
「まあ、気を落とすなよ。ジーク。」
ジークはキッとイグニスを睨んだ。
「お前が言うな!」
ジークはイグニスに斬りかかり、二人の戦いが始まった。
辺りには大剣と槍に金属音が鳴り響き、あちらこちらが爆風で街道はメチャクチャになっていった。
あまりの衝撃に異変を感じたギルドの受付さんがやって来た。
「あんたら、何やってるんだ!?止めろー!?」
青ざめたギルドの受付さんには止められなかった。
「サリアさん!まずいわ!街道が壊れちゃう!ジーク!止めて!」
「フィーネ?」
フィーネが止めようと叫ぶと、ジークはフィーネを見て一瞬止まった。が
「もらった!ジーク!」
イグニスの槍が突いてきた。
「クッ、卑怯だぞ!イグニス!」
「隙をみせたお前が悪い!」
大剣で防ぐもまだ斬りあいは続いていた。
「しょうがないわね。フィーネ、下がって。」
サリアが、やれやれというように杖を掲げると、ジークとイグニスの間に大きな氷の薔薇が落ちてきた。
「はい、今日はおしまい。酒でも飲みましょう。」
サリアはニッコリと言った。
「受付さん、すみません!」
フィーネが謝ると、受付さんはフィーネの知り合いならと穏便にすましてくれた。
「ギルドのドアと街道の修理分は報酬から引くからな!」
受付さんはフラフラで帰って行った。