イグニスとジーク
喫茶店のテラスには予想通り、イグニスがおり、横にはサリアが座り、二人でモーニングを食べていた。
「イグニス!助けてくれ!」
「何だ?ジークか、水の乙女は見つかったか?」
「いや、騙された。だが、騙された事はいいんだ。それより一大事だ。」
隣にいるフィーネを見て、イグニスは何かを察したのか、ジークに聞いた。
「なんだ?男同士の話しか?」
「そうだ!男同士の話だ。」
「だそうだ、サリア、彼女に美味しいお茶でも飲ましてやれよ。」
「なによー、私は仲間ハズレ?」
サリアは冗談交じりでフィーネと違う席に行こうとした。
「サリア、フィーネに男が近づかないようにしてくれ!」
サリアはジークの言葉にビックリした。
「あの、何かすみません、ジーク何だか少し、思い詰めてるみたいで。」
サリアは面白そうな顔になり、ご機嫌でフィーネと移動した。
「なんだ、ジーク、初彼女ができたのか?」
イグニスはニコニコと聞いた。
「その事何だが、何とフィーネに言ったらいいのかわからないんだ。フィーネの事を考えると、動悸までするし。」
ジークは、フィーネとの経緯をイグニスに話した。
「惚れたな。ジーク。」
「だが、何と言っていいのかわからないんだ。イグニス、助けてくれ。」
「いやぁ、お前から色恋ざたの相談を受けるなんて、楽しいな。」
イグニスは、新しいオモチャを見つけたみたいに喜んだ。
「聞く限りではジークの事嫌って無さそうだし、押して見ろよ。」
「可愛いフィーネを見ると言葉が出ないんだ。」
(こりゃ重症だな。面白い。)
「お前の格好良いところを見せると、告りやすいかもしれないぞ。」
「俺に格好良いところあるか?」
「顔はいいんだから、仕事してる所見せるとか?フィアード森周辺のクエストでも行くか?」
「フィーネの為ならやろう!」
「決まりだな。飛竜を一体借りてくるから、街の外で待ってろ。」
「イグニス、恩にきる!」
そう言うと、イグニスは城へ飛竜を借りに行った。
城に行くと、王様は、好きにせい、とイグニスの相手に疲れていた。