1/1
序章
【序章】
親愛なる皆様へ。
これは私が最後に書き残すことになるメッセージでございます。
ここに記されるは私の全て、私の知る全ての真実であるわけです。
これは贖罪であり、自己顕示欲の塊でもあるのです。
最後の最後まで私のことを誰かに知っていて欲しかったと願ってしまったのです。
なんと浅ましく卑しいのでしょうか。
こんなことを知って誰が得をするというのでしょうか。
それでも私は書き記し始めてしまいました。
これをどこのどなたの目に留まるのか、今や憶測で想像することしかできません。
正しい解答が出たその頃には、私は透明なゆりかごの中にいることでしょう。
再び人として生まれるその日まで。