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心のライブラリー  作者: 相馬颯
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すべてが消えた夕暮れ時に

 友達作りや人付き合いって大変ですよね。

 「ねぇ、なんで私たちこうなっちゃったんだろうね。」

 隣を歩く元友人のかながこう言って、自嘲気味に笑う。

 きっと、私が悪いんだ、全部。人に甘えてばかりで、自分の弱さも知ろうとしないで、勝手に一人になって怒って。何やってたんだろう。もう一度、友達になりたい、そう思っている。

 でも、届かない。


 「でもさ、ゆきがあんなんだからって言うだけでもないと思うんだよ。きっと、大変だったんだろうね。私たちはそれに、気づいてあげれなかった。たぶん悲しそうな顔を見せたことはいっぱいあったよね、私は見てた。でも、何もしてあげれなかった。いわば、ゆきの「助けて」のサインを見逃してたんだよ。 みんな、そうだった。」

 

 ここまで話してかなはじっと私をみた。


 「ほら、やっぱり、また泣きそうじゃん。みてらんないよ 全く」


 「かなは、何でそう明るくいられるの?」


 私は彼女にそう問いかけた。

 

 そしたら、また笑いながら、

 「私ね、自分が死ぬほど嫌いだったのね。それで、何度も死のうと思った。でも、出来なかったんだよ。何でだと思う?」


 「そんなの分かんないよ」そう私は答える。

 

 「それはね、

 どこかで、私は私のことを大事にしてたからだと思うんだ。じゃなきゃ、もうとっくにいなくなってるよ。」

  

 ちょっと衝撃的だった。きっとあれは、彼女なりの励まし方なのかもしれない。


 ◇◆◇


 それから何日か経った。私はあの時の会話が忘れられなくて、ずっと考えていた。

 一応、私なりの結論はでた。これが正しいなんて、夢にも思ってないけど、私の中ではしっくりきたのだ。


 みんな、それぞれ悩みを抱えていて、落ち込んでいる。そんな部分がある。そして、死にたくなることがある。

 でも、それを乗り越えていかなければ、何も生み出せないんじゃないかな。

 だから、私は今日も向かう。

 一回やめた高校をやり直すために、あの場所へ。


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