第3回 テーマソング
私は、作品を執筆するときは決まって何かしら音楽を聴きながら書いています。何故かって? 単純に、その方が筆が進むからです。
人によっては、音楽をかけずに静かな中でひたすら集中して書く、という方もいると思います。が、私は完全に正反対の方向に向いてますね。静かな中で執筆するのもいいかもしれませんが、個人的に一番ゆったり執筆できる自宅では、私自身にとって一番リラックスできる環境で筆を執りたいと思います。その方法が、音楽なのです。
音楽を聴きながら書き進める中で、私は個人的に思い入れのある作品に(自分の中での)テーマソングを設定したりしています。具体的には作品全体のテーマに通じる主題歌や、場面ごとで流れそうな曲を頭の中でイメージし、実際にその音楽を聴きながらパソコンで執筆をしている、という感じです。どんな作品にどんな曲を設定しているのかの説明は控えさせていただきますが、私のツイッターを見ている人は大体察しが付くかもしれません。
常にテーマソングを聴きながら執筆していると歌詞や音楽に小説が呑まれる、という声があるかと思います。確かにその考えは否定しません。実際に今回の話を読んで、皆様の中には自分の物語を流されないようにするためには静かな環境が理想だ、とする考えを抱く人もいると思います。
ですが私自身はというと、静かな中で書くよりは何か音楽がある方がモチベーションが上がるんです。そういう気質ですから。それに、抑揚のある音楽を聴きながら人物描写を執筆していると、何だかそのキャラが生き生きして見えるんです。今にも踊り出しそうな……と言ったら大袈裟に聞こえるかもしれませんが、とにかくキャラクターが自由に、思うままに感じながら行動する。口走る。その積み重ねが、小説全体の世界観を紡いでいくと思うと、私はとてもワクワクします。
何だか大仰なことを書いてしまいましたが、私は常にそう感じながら執筆をしている次第です。念のため申し添えますが、歌詞などがそっくりそのまま小説に反映されないように私自身も注意しています。あくまでも作品のイメージを膨らませるための手段として、音楽を用いています。
最後に、場面ごとで流れそうな音楽のイメージについて例を挙げてみましょう。例えば、拙作『MOON』の主人公・朔の変身シーン。あれにもテーマソングがついています。実際に曲を知ったら「ちょっとそれかっこよすぎない!?」って言われそうな曲を、テーマソングにしています。
ちなみに、今回『第3回 テーマソング』を執筆しているときにも、音楽をかけています。それは土曜朝七時からやってるアニメのオープニング。だってかっこいいんだもん! お気に入りの曲を何度も聴きたい。そう思うのは私だけでしょうか?