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僕らの冒険1  作者: じっつぁま
第二章 新しい町へ
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8話



始まりはベッドの中


別に一緒ではない(ケーゴと)

薄暗い中起床し、井戸水で顔を洗い、短刀を振るう。

槍のスキルは生えなかったが、短刀のスキルはできていた。投擲であった。

いざというときには役に立つのであろうと、近くの木に向かい練習を重ねる。

ただ、お金がかかるので、このスキルで攻撃するわけにはいかない。


魔法スキルも順調に伸びていた。今はLv3になっている。

これもケーゴと違って、今のところ攻撃には向かない。生み出す量が増えたので、今後飲み水には困らないだろう。狩りの時には水筒だけ持って行って、足らなくなったら水魔法でつぎ足す。役に立っているような、いないような。


お金は順調に増えており(ケーゴのおかげで)、革の防具をそろえた。

また、僕だけ革の盾を購入した。安全第一だ。ケーゴはHPが高いし、両手で鉄棒を使うため装備できなかった。


2人ともレベルが10となり、お金もほどほど集まり、装備がそろったので、念願の次の町へ向かうこととした。

はっきり言って、ここの飯はまずい。次の町でおいしいご飯が食べたい。


町までは歩いて約5日間、馬車はしばらく来ないそうだ。

徒歩だとすると、途中のHP回復手段を考えなければならない。

この村まではスライムだけだったので安全であったが、次の町までは普通にモンスターが現れるだろう。


「どうしよう」


「ギルドで相談しよう」


ケーゴに引っ付いてギルドに向かう。

ギルド窓口のお姉さんに話しかけた。


「次の町に行きたいんですが、道中はどうすればいいんでしょうか?」


「冒険者の皆さんは大体数人パーティーで行き来されます。2人で行くのは結構きびしいと思います。それでも行かれるならば、HPポーション、MPポーションを買われた方がいいでしょう」


「MPポーションがあるんですか」


「えぇ、HPポーションの2倍はしますけど」


最近は少しのMPで水が生み出せるので、水の心配は要らない。

HPポーションで1日分のHPを補えるので、それぞれ10本ずつ買っていけば、町までは大丈夫だろう。次の町の仲間の装備も必要だろうし、お金は充分残しておこう。


方針が決まったら、必要なお金を計算し、それまでまた狩りや採取を続けることとした。充分なお金を稼ぎ、HP・MPポーションを購入し、次の町に出発した。


結局、次の町に行くまで、僕は荷物持ちとなった。

戦闘になったとき、それぞれリュックをおろして戦うのだが、はっきり言ってケーゴだけで充分である。剥ぎ取りも慣れた様で、倒してすぐ剥ぎ取りをしてくれる。こんな状況では僕が2人分のリュックを背負った方が早い。最初は断っていたが、どうしてもとお願いし、僕が荷物持ちをした。男の矜持である。


グレイウルフ、ゴブリンは討伐部位を採取したが、ブラックボアーはそれそのものが食料である。1匹ならば豪勢な食事となるが、数匹となれば打ち捨てるしかない。はっきり言ってもったいなかった。ケーゴに小さな穴を作ってもらい、埋めた。そのままにすれば、街道にモンスターが集まってくるからだ。


夜は見通しの良い場所でたき火を行い、半分交代で見張りをした。

群れが来たときは、ケーゴを起こさなければならないが、1匹位ならば僕でも倒せる。でも数回ケーゴを起こしてしまった。情けない。ケーゴはそれでも疲れを見せず、昼は黙々と敵を倒し、夜も呼ばれればすぐ戦いを始めた。

こいつ、実は英雄じゃないか?


そして5日目となり、町が遠くに見えてきた。


モンスター除けに石の壁が並び、南の中央に鉄の門がそびえていた。

端にはそれぞれ1名ずつ衛兵が立ち、入町検査をしているようだった。

現在は夕方、まだ日が高いせいか門は解放されていた。

僕たちは町へ近づいて行った。


「こんにちは」


「はい、こんにちは。ウォーレンの町へようこそ。初めてかな」


「はい、バードの村からやってきました。」


「2人でここまで歩いて来たのか。凄腕なんだな」


「えぇ、僕がというより彼が強くて、ほぼ1人で敵を倒してくれました」


「立派なボディーガードだね。じゃあ身分証を見せてくれ」


「はい、ギルドカードを提出します。」


「よろしい、通りなさい。楽しんでくれよな」


門を抜けると町の全貌が見渡せた。

日本の都会の様な高い建物はないが、異世界に来てここまで家が並んでいるのは初めてだった。

ほぼすべての家が石造りであり、地中海に来たようなきれいな街並みであった。


「さて、ご飯だな」


「まずは仲間探しじゃないか?」


「間をとって、ギルドに行こうか」


ギルドで情報を得、食事をし、換金をすることとした。

討伐報奨は数千ゼニーとなった。ただ物価がわからないので、稼いだかどうかがわからない。仲間を探す情報は、ギルドの食堂で食べながらすることとした。


「すみませーん、セットってありますか」


「日替わりならありますよ」


「じゃあそれで2人前お願いします。いいよね」


「いいよ」


食事が来るまで2人で近くの人たちに、黒髪の女性の情報を聞いてみた。

この異世界では、欧米人の様にほぼ金髪、銀髪なのであった。黒髪は珍しいと思うので聞いてみたのである。だが、数人に聞いても、あまり確定情報は得られなかったので、ウェイトレスさんに尋ねることとした。


「数か月前からここのギルド職員になった人がいるわ」


ギルド職員になっているらしい。


「後でその人と話せますか?」


「今日はもう帰っていると思うので、明日朝に尋ねてみて」


公務員の様な生活をしているらしい。レベル上げしなくても、生きていけそうだ。

とりあえず、食事をして(むっちゃおいしかった)宿をとることとした。

宿屋にはランクがあり、最低ランクの宿に今日は泊まった。2人部屋、風呂なし、トイレ共同、明かりなし、飯なしで2000ゼニーだった。高い。

MPを使い切るまで魔法の練習をして寝た、ぐぅ・・・




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