表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの冒険1  作者: じっつぁま
第九章 物語の終盤
56/59

56話



今この世界の魔素は半分に減っている。すなわち悪素が半分できているということである。魔王は王素が7割以上集まれば、現身を表すことが出来る。その力は悪素の量次第ではあるが。悪素がモンスターポップアップに使用されていたせいで、アルフレッドが核を見つけたころは復活する為の量が5割程度しか集まってなかった。しかし、核にこつこつと魔石を投与した結果、現在7割弱のところまで来ているのである。


放置していても復活するレベルとなった魔石を見つめ、アルフレッドは考える。何がまずかったのかと。この核を壊すことを一義に考えた方がよかったのか?しかし、核を砕いただけではこの世からモンスターはいなくならない。どうすればよかったのか、回答はでてこない。じっと核を見つめるアルフレッドであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「勇者御一行様のおなーりー!」


ジュンイチ達はどうどうと帝都城の正門から入って行った。アンデは帝都の高位文官に任命されており、ジーやチェリー(スターだってば!)も顔見知りであったので顔パスだったのだ。今回帝王に勇者が招かれたということにして、どうどうと入城してきたのである。


「勇者御一行様、ご苦労様でした。ただいまアルフレッド帝王に使いを出しますので、少々お待ち願いますでしょうか」


「その必要はない。アルフレッド帝王より直々にお会いすると、私が勅命を受けているのだ。このままアルフレッド様の元へ向かう」


「おお、アンデ様がそうおっしゃるのであれば、お願い頂けますでしょうか」


そのまま、ぞろぞろと奥の間に突き進む一行であった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「さて、時は来たようだ。最後の一押し位自らの手で行う事としよう」


そういうとアルフレッドは核を台座に置き、魔石粉砕装置の元に行く。


「さらば帝国よ、願わくば人類の未来に幸あらんことを!」


「ほーっほっほっほっほっ、それは聞けない相談ね!」


「えー、それじゃあ僕らが悪者みたいじゃないか」


「レーコ、それはないわー」


「駄目ですよレーコさん。こんなシリアスな場面でそんなこと言っては」


全員からダメ出しを食らうレーコであった。


「・・・こほん、あーアルフレッド帝王様、初めまして。私は異世界から参りました柳楽玲子と申します。この度魔王を殲滅する為に参上いたしました」


「やればできるじゃないか」


「うるさい!えー、モンスターの数を減らし、魔王を殲滅する計画を立てましたので、お聞きいただけたらと思います」


「・・・無駄だ、もはや最後の魔石を投じた。直ぐにでも魔王は復活するであろう」


「あー、最後の魔石は降りかかっていないよ?俺が止めたから」


見ると台座のところに立つユーマがいた。台座には壺が逆さにはまっていた。レーコとケーゴの合作、封印の壺である。


「・・・魔石がかからなくても、自然復活は妨げられない」


「そんなことはないぜ。持って来てくれ」


ユーマが壺を持ってくるとその壺にチェリー改めスターが、持ってきた箱からスライムを数匹入れ込んだ。


「これで減ったはずだぜ、確認してくれだぜ」


ジーがカウンターの様なものを近づける。


「これはレーコ殿と合作した、悪素計測器じゃ。真ん中のメモリが一番上に行けば、この世界の魔素と同じくらいの悪素となる。ふむふむ、測定結果では大体1割位に減っておる。1割位分解できたはずじゃ」


「この壺に入れて置けば、復活することはないわ。後でもう1割程度抜いて置けば計画通りね」


「・・・どういうことだ?」


その後、アルフレッドを交え現在の状況および今後の方針に関して、質疑応答を行った。とりあえず、この世界での魔王復活は阻止できたのであった。しかし現段階では封印状態であり、再復活はあり得る状況である。


「という訳で、この首輪を掛けて頂戴。目立たない様にしておくからねー」


帝国と王国を魔法陣でつなぎ、いったん王国へ帰るジュンイチであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「つまり、どうゆうこと?」


「まあ、今後の展開を見ていたら分かるわよ。魔王の核はアルフレッドにしか取り扱えないから、現代日本にアルフレッドを連れて行くつもりよー」


「はあ?」


「とりあえず、おバカなジュンイチは、帝国とオランとの壁をケーゴと一緒に壊してきて。もう必要ないし」


まあ、聞いても考えても分からないとは思うので、しょうがないから後始末をしに行くジュンイチとケーゴであった。


魔王の核は一般の人間には見ることはできない。もちろんジュンイチ達にも存在感は分かるものの、視覚的にとらえることは不可能である。魔王の核が見えるものは、悪素に充分触れたものであり、魔王の呪いを受けたものである。その状態では、魔王復活に精神が誘導され、悪素を持って来させたりするのである。結局アルフレッドも魔王復活に動くことになったのだ。


しかし、この”呪い”は利用価値がある。現代世界に帰っても魔王の核のありかが分からないのだ。その為、アルフレッドを現代世界に連れて行き、核を見つけさせることにしたのである。解説終了。


こうして、この時代の魔王復活は妨げられ、平和な世界がやってくるのであった・・・



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「私の固有武器って、結局不必要だったわね」


「ほんとは、6人で合体技を使う予定だったのよねー」


「そうなんだ」


「6つの角を持つ、正8面立方体を作り、神をも超える力で魔王を倒す予定だったの。実際復活すれば使わざるを得ないから、無駄ではないのよー」


とあるソフィアとレーコの会話であった




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ