表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの冒険1  作者: じっつぁま
第八章 スライム
50/59

50話



「そうですか、スザンヌはその様にしておりましたか」


王城へ帰って話す間もなかったので、ジュンイチはようやくソフィアにスージーの話を伝えた。


「ジュンイチ様、ありがとうございました。その内スザンヌの元へ行こうと思います」


「俺が連れて行ってあげるさ」


「ありがとうございます、ユーマ//。これから父様にも報告してきます」


そう言ってソフィアはユーマと出て行った。


「ところで、これからどうしようか?砦南部には、もうレベ上げできそうなモンスターがいなかったんだけど」


「多分、もうレベ上げする必要はないわ」


「その心は?」


「・・・ふふ、秘密・・・」


レーコうぜー。


「じゃあどうするんだよ!」


「後はジュンイチ、しばらく好きにしていていいわよ」


えっ!いきなり放置プレイですか?

急にする事のなくなったジュンイチであった。


「リ、リョウはどうするの?」


「・・・私はしばらく暇かな?」


「じ、じゃあ一緒にどっか行こうか?」


「ふふ、いいわよ」


やたっ。心の中で叫ぶジュンイチであった。

旅行計画を練らなければなるまい。あそこに行ってあれを食べ、あそこの温泉にも行かなくては、などと構想を練るジュンイチであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



アルフレッド・ルーン・スカイオークは西大陸帝国の帝王である。


彼は一代にして、スカイオーク共和国を巨大な帝国にした英雄である。共和国の前王時代に将軍まで登り詰めた彼は、高齢で後継者のいなかった前王の遺言で王と成や否や、武力を重んじ、周辺国家を併合していったのであった。


しかし、戦争を仕掛けたり武力を盾に迫ったわけではない。あくまでもモンスターに対する武力抵抗を示すことにより、周辺国家の支持を得て来た結果であった。その為、民衆の評判も高く、優王の2つ名までもらっているのだ。


いつもの様に午前の御前会議が終わった後、彼は奥の部屋に引き下がって行く。


「いつもの様に、誰も入れない様に」


部屋番の衛兵にそう伝え、自室へ入って行った。

奥の部屋は二重構造となっており、更に奥には円卓のある会議室となっていた。円卓には既に、女性が1人座っていたのだった。


「チェリーが帰って来ないのだけど、何か情報がある?」


「チェリーは、囚われた様だ。4号から連絡が入った」


「それで、どうするの?」


「すぐには動かない、チェリーを捕らえた人間は、もはや初心者の村にはいないそうだ」


「今後の計画は?」


「変更はない。期日が来れば動くことになる」


「じゃあ、それまで私は待機ね」


「・・・あまり下手に動かないようにしてくれ」


「あの2人とは違うわ」


そう言って、女性は会議室から出て行った。


「・・・俺は魔王の様子でも見に行こう」


1人となった会議室を去るアルフレッドであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「・・・それで、前任の副将軍というのはどんな人だったのですか?」


ジュンイチが去った後、砦では将軍と副将軍は必ず3時のティータイムを取ることになった。雑談が中心であるが、重要な懸案事項も話題に登ることがある。今日の話題は、前任の副将軍のことであった。


「前任の副将軍は、真面目な男だった。元スカイオーク共和国の南にあった小さい村出身だったのだが、その村はモンスターの襲撃で壊滅したらしい。その為彼はモンスターを憎む様になったのだ」


ショウリュウは思い出す様に、ぽつりぽつりと話し出した。


「彼は剛剣を直ぐマスターし、誰よりも多くのモンスターを討伐した。あれはもう20年位前の大襲撃の日、彼は数人の兵士を連れて立ち向かい、そのまま帰って来なかったのだ」


「勇ましい方だったのですね」


「質実剛健、真っ直ぐなやつであった」


2人はそこでそろって、緩くなったお茶に口を付けるのであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



アルフレッドは魔王の隠し部屋に行くと、魔王の核の状態を確認した。ジー・サマーに作って貰った魔石砕石器を動かし、少量の魔石を振り掛ける。また少し、魔王は元に戻っていく。


「あと少しだな・・・」


アルフレッドは、自分の報酬を全て魔石買い取りに当てていた。その為、王といえど質素な生活をしていたのだ。


「あと、少し・・・」


つぶやきながら、魔王の核を見つめるアルフレッドであった・・・




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ