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僕らの冒険1  作者: じっつぁま
第六章 西へ向かおう
35/59

35話



「じゃあ馬車はもらっていくから」


「ちょっと待ったー!」


港町に着き、移動方法を検討している最中、またレーコの強権発言が飛び出した。


「いやそれ、もともと僕らのだし。お前ら新しく買えよ」


「いやよ、面倒くさい。買いなれているから、ジュンイチ達が新しく馬車を買いなさいよ」


「ふざけんな!」


「それに私はもうこの馬車に慣れちゃったんだもん。ジュンイチは御者の練習したんでしょ。今から新しい馬車に慣れるなんて、私はできないわ」


「・・・それはそうだけど」


やはり口では敵わない。

愛着があったが、馬車は譲ることにしたヘタレのジュンイチであった。


「それじゃあ、私たちはお先にー」


さっさと買い物に向かうレーコ達を見送り、どうしようかと考えるジュンイチであった。


「とりあえずギルドに行ってみない?なんか移動方法とかあるかも知れないし」


リョウの意見に従って、ギルドに向かってみた。

ギルドの中は時間帯によるのか、現在数人しかいなかった。

クエストをちらっと見ながら、受付嬢の元に向かう。西の町への情報をもらうのだ。


「こんにちは、今日この町についたんですが」


「いらっしゃいませ、港町レーベへようこそ。ご用件はなんでしょう」


「これから西の町に行こうと思うんですが、情報なんかを聞こうと思いまして」


「今はレッサーデーモンの襲撃があるので、あまりお勧めはできませんよ?」


とりあえず、話を聞いてみた。

レッサーデーモンの強さは個体によるが、レベル60位だそうだ。ちなみにレッサードラゴンは50台だそうだ。魔法も使用し、魔法防御力もそこそこある。ゴールドプレートのフルパーティー3グループ以上か、1個中隊の軍隊以上で討伐可能だそうだ。それが、確認されただけでも10個体いるそうだ。


西の町は、オランという。現在町の領主が騎士団を派遣し対応しているが数が足りず、ギルドへ討伐依頼をしているが、他の町への対応も大変でなかなか討伐できてないらしい。

現状町を守るのに精いっぱいだそうだ。


「討伐依頼はゴールドプレートのパーティー3グループで1セットなんです。今依頼を受けているのは1グループだけなので、まだ他のグループがそろうまで待ってもらっています」


そのグループとはなんと!バスターズであった。

早速バスターズが泊まっている宿へ向かった。


「おージュンイチじゃないかー、こっちに来たのか、久しぶりだなー」


ミルがいた。

相変わらず、少々暑苦しいが、フレンドリーな対応をしてくれた。


「お久しぶりです。今度オランの町に行くことになったんですが、バスターズも行かれるということで、話を伺いに来たんです」


「そうかそうか。ん?2人で向かうのかい?」


「ええ、最初はそのつもりだったんですが、移動方法やレッサーデーモンの話が出てきて、どうしようかと思いまして」


「あー、それなら臨時でいいから俺らのパーティーに入らないかい?」


「その話をしに来たところですが、よろしいんですか?」


「いいも何も、ジュンイチなら大歓迎さ。よろしく頼むよ」


ミルは馬車を持っており、6人パーティーでフルパーティーまで後2人必要であった。オランの町にはメンバーの1人の故郷があり、討伐を兼ねて行くつもりであったらしい。


「まだ後2つパーティーが決定していないから、数日この町で待機なんだが、予定が決まったら教えるよ」


「「よろしくお願いします」」


リョウと2人で頭を下げた。

行く予定が決まったらギルドから連絡が来ることになった。

まだ時間がかかりそうなので、宿を取り2人で話し合う。


「行く日まで何をしようか?」


「とりあえず、レーコの予言通りダンジョンにでも行ってみる?」


ダンジョンはここからオランの町に行くまでにある、中ランク規模のものの様だ。

最下層近辺までマップは売れており、最終ボスはミノタウロスだそうだ。

ボスを倒すとランダムに武具防具が手に入る。その中には結構な盾もあるそうだ。盾じゃなくてもドロップ品は高値で取引される様なので、損にはならない。


「・・行ってみようか?」


「ジュンイチがそういうなら、行ってもいいよ」


とりあえず時間はあるので、ダンジョン攻略を行う事とした。

ダンジョンまでは半日の距離である。周囲にはちょっとした宿泊施設もあった。

ダンジョンの階層は30階で、よほどの凄腕でなければ最下層まで一か月位はかかるらしい。


飛行タイプのモンスターは存在せず、罠は落とし穴がメインだそうだ。

・・・ということで、とりあえず、飛んで行くこととした。


「びゅーん」


「ジュンイチ、ここ左」


「はいよー」


リョウを背負い、ダンジョンの上壁ぎりぎりを飛ぶ。

どんどん深部に向かって行く。

モンスターは気づいていたが、壁沿いを高速で移動する僕らを追跡することもなく見送ってしまう。

階下に降りる場所まで行くと、そこも飛んで降りてゆく。


1時間で10階のペースである。


「もうそろそろ最深部につくね」


「そうね、このマップだと今29階を降りたことになるわ」


「30階になったら、一度休憩するか」


30階の1部屋で、リョウの魔法でモンスターを殲滅してもらい、食事と休憩を行う事とした。部屋の入口で顔だけ炎竜を出し、番犬をしてもらった。


「何が食べたい?材料はあるからある程度なんでも作れるよ?」


「じゃあ、パスタが食べたい」


「よっしゃぁ」


鍋を取り出し、お湯を出し、パスタを入れ、ゆで始める。

隣ではリョウがトマトを炒め、中に乾燥肉、玉葱もどきを炒め始めた。

イタリアンスパゲッティーの出来上がりである。


「「いただきまーす」」


ダンジョンの中でスパゲッティーを食べる人はいないだろう。

などと思いつつ、おいしく頂きました。

食後の紅茶を作り、リョウに渡し、僕はさっさと洗い物を済ませて置いた。


「さあ、もうひと踏ん張りしようか」


食後の休憩も終わり、またリョウを背負う。

部屋の前にいたトロールを蹴とばし、ボス部屋まで飛んで行く。

ボス部屋の前にはサイクロプスが数体いたが、目玉に苦無を投げつけ瞬殺した。


「さあ、いよいよボスだね」


「うーん、あまり感動がないね」


「まあ、かなりショートカットしているからねー」


ボス部屋の荘厳な扉を開くと、中には予想通りミノタウロスのボスが腕を組みふんぞり返っていた。こちらを睨みつけている。強者の容貌だ。


両手をミノタウロスに向けて、氷魔法を使う。


「ひゅーーーー」


ミノタウロスはそのまま凍ってしまった。


「リョウ、やっちゃって」


「いきまーす」


ぐさっ、ぼーんっ。

レイピアを突き刺し、爆発させる。ミノタウロスは一瞬で砕け散った。


「ふう」


特にかいてもないない額の汗を拭うジュンイチであった。


「後ろに宝箱があるよー」


「開けてみて」


「なんか腕輪みたい」


魔道具らしい。効果が分からないため、ダンジョンを出て鑑定してもらうこととした。帰りもリョウをおぶさり、宙を飛んで帰るジュンイチペアであった・・・




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