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僕らの冒険1  作者: じっつぁま
第三章 メインヒロイン
16/59

16話



火山からの帰りはスムーズであった。

ジュンイチ的には2人の距離が縮まったようにも感じられた。

リョウに鳥を狩ってもらい、それを焼いて食事を作る。

鍋に水を入れ、熱してもらい、スープを作る。

乾パンをスープにつけて、柔らかくして食べる。


鳥が手に入らない場合は、保存食の乾燥肉を入れてスープとした。

お風呂には入れなかったが、鍋でお湯を作り、お互い体を拭いて清めた。

衣服の汚れも落とし、火魔法で乾かす。

2人の魔法の相性は完璧に思えた。


夕方、晩御飯を食べてから寝る前までに他愛ない会話をする。

ジュンイチが期せずして助けた場面のことや、すれ違ったことなど、恥ずかしい場面も会話に出た。

はっきり言って学校でリョウと出会った覚えがない。今思えばもったいないなと思えた。


中学校、高校と同じだったので、先生の話題や近所の建物の話題など、尽きることがなかった。

こんなにも2人きりで話をしたことはなかった。

リョウの意識誘導スキルが気になったが、こんな気分でいられるなら、スキルを使われていたとしても最高だった。


「・・それでうちの高校の社会の先生、松岡先生なんだけど、花粉症なんだ」


「あぁ、知ってる知ってる。授業中よくくしゃみしてるよね」


「そうそう、それで、ある授業の時大きなくしゃみをして、黒板につばをはきかけてしまって、慌てて黒板消しで消してさ」


「あはははは、そんなことがあったんだ」


「そうそれで、黒板消しで消してもつばが伸びてしまって、大変だったんだよ。生徒はみんな大笑いだった」


「あはははは」


こんなくだらないことで盛り上がるのも久しぶりである。

17年間の人生の中で、こんな楽しいひと時は初めてだった様に思えた。

彼女に恋心を抱いているのかどうかは分からないが、少なくとも大切な仲間だと思った。


リョウの固有武器はまだそのすごさが分からない。

通常のモンスターは普通の火魔法で一撃であるし、レイピアで攻撃しても一撃だからだ。ただ以前と比較すると、簡単に倒しているようにも見える。MPポーションの使用量も減った。


町に帰り、またモンスター狩りをしていたが、そろそろ次の町に行くことになるだろう。ちなみにレーコ、ケーゴのペアは帰ったときには次の町に向かったそうだ。ギルド職員が言づけてくれた。


「・・・ということで、次の町に向かいたいと思います」


「どうやって行く?徒歩だとすごく時間がかかるよ」


「馬車を購入したいと思います」


「お金大丈夫?馬は操れるの?」


「お金はほぼ大丈夫。御者は今から練習したいと思います」


「じゃあ私も練習するね」


「リョウさんは狩りに行ってください。御者の練習は僕がします。多分その方が効率的です」


「分かった。いつもすまないねぇ」


「それは言わない約束よ」


ちょっとくだらん冗談まで言える中になったことが少しうれしい毎日だった。



馬車は一番小さめのものを購入した。馬も足は多少遅いが、頑丈なロバの様なものを購入した。

練習のため、ギルドで指導員を派遣してもらい、数日馬車の制御の練習をした。

また、トラブル対策のため、壊れたときの修理の方法を教えてもらい、修理材料を購入した。購入金額はリョウさんに稼いでもらった。


次の町まで馬車で約10日かかるという。その間の野営をどうするかを検討した。出現するモンスターは、スケルトン、スコーピオン、ワイバーンである。

スケルトンはもはや楽勝、スコーピオンも火魔法に弱いらしく勝てそうだ。ワイバーンは強敵だが、なんとか討伐できそうである。


ただ夜間が難しい。ところどころに屋根付きの野営所はあるが、全く敵を近寄せないということはできない。

困ったときのギルド頼みをしてみる。


「ギルえもーん、たすけてよー」


「えー、どなたへの依頼ですか?」


「すみません、ふざけました。次の町に馬車で行こうと思うんですが、野営なんかをどうしようかと思いまして、相談させてください」


「通常は護衛を雇います。約4~10人くらい雇って、護衛、見回りを行います。冒険者の方であれば、2~3パーティーで行かれる方がいいですね」


「2人のパーティーだけで行く場合はどうしたらいいのでしょうか?」


「普通はそんな無茶はしません。ゴールドプレートのパーティーでも2パーティーにして行かれます」


「そこを何とか」


「・・・それ以外でしたら、少々高くなるのですが、魔物除けの魔道具を購入する手があります」


「どうしたら手に入るのでしょうか」


「雑貨屋で聞いてみてください。高ランクの雑貨屋で取り扱っていることがあります」


前途はなかなか多難であった。

しかし、リョウと相談してみたところあっさりと解決した。


「多分私の武器に頼めば、夜間は大丈夫だと思うよ」


「どゆこと?」


「あー、この武器に適した鞘が今なくて、宿ってる炎竜が通常は出せないんだよね。夜だけ頼めば出てくれると思う」


ドラゴンの見張り付きであれば、充分夜は大丈夫であろう。心配して損した。

そうゆうことで、準備が出来次第、次の町へ向かうことになったのであーるー・・・




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