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僕らの冒険1  作者: じっつぁま
第三章 メインヒロイン
12/59

12話



目が覚めると見知らぬ天井だった。


頭頂部が痛い。触るとたんこぶになっていた。

HP5/32


危ないところだったようだ。クリティカルヒットを受けたみたいだ。

ギルマスにHPを削られたら、死んでしまうのだろうか?

そこんところどうなの?異世界。


「がちゃっ。おー起きたか坊主。心配したぞぉ」


あまり心配してないようにギルマスが入ってきた。


「そんな言い方、駄目じゃないですか。きちんと謝ってください」


クラインが後ろから入ってきて、ギルマスに怒る。

ついでにポーションを僕に手渡した。


「本当にごめんなさいね。ポーション代は要らないので、飲んでください。トーマスは普段優しいんですが、攻撃を受けるとかっとなるんです」


「ありがとうございます。でもそんな人に戦闘試験を任せて大丈夫なんですか」


「・・人が居なくて。今トーマスしかいないんです」


「人手不足なんですね。分かりました」


「おまえら、人の前で悪口言うなよぉ」


「何言ってるんですか!。今回は完全にあなたが悪いんですから、きちんと反省してください!」


「あぁー、すまんすまん、悪かったな坊主。」


トーマスは普段防具のあるところを叩かせているようで、今回の様に関節に食らうことはなかったそうだ。

ここに来るまでスケルトンの関節面ばかり狙っていた癖がつき、つい防具の薄い膝関節を叩いた僕も悪かったようだ。


「それで試験結果はどうなんです?」


「うん、まぁ筋は悪くなかったから合格でいいんじゃね」


「そんな言い方はないでしょう。きちんと合格ですから安心してください。はい、これ、シルバープレートです」


「ありがとうございます」


念願のシルバープレートが手に入った。

HPポーションを飲み、体のふらつきがないことを確認して、僕はギルドを出ていくことにした。クエストの確認はまた後でしよう。


外に出ると、もはや夕暮れであった。おなかも空いていたが、宿もとっておかなければならない。最低ランクの”ゴブリン亭”に向かい、1泊のお願いをして、隣にある飯屋に向かった。この町では一番安い飯屋であり、客層はまばらだったが、小汚い服装の人たちが多かった。

ただ、ウェイトレスは”黒髪”のかわいいタイプの女子がやっていた。


「すみませーん」


ウェイトレスに声をかける。

振りむいたウェイトレスが、少しびっくりしたような顔をして僕を見つめた。


「・・・いらっしゃいジュンイチさん。お待ちしていました」



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「こんばんは、初めましてだよね?立花に名前聞いていたの?」


「・・・その話は後でゆっくりさせて下さい。とりあえずご飯食べますか?」


「えぇ、おなかすいたので、安くてボリュームのあるものを下さい」


「分かりました。ちょっと待っててね」


店の奥に引っ込んで、数分のうち食事を運んで彼女はやってきた。

僕の前に食事を並べ、彼女も席に着いた。

これまでの経緯を述べるらしい。


「食べながら聞いてくれる?」


「・・・コクン」


お腹が空いていたので、もりもり食べながら頷く。

何故か米飯と焼き魚と野菜スープであった。少し醤油ベースの味付けがしており、久しぶりの日本食の味わいであった。


彼女は16歳、高校1年生で名前は綾波涼というそうだ。

1番最初に立花と会い、この異世界に来ることにした。

後3人の仲間を引き入れ、異世界冒険をするんだ、と聞いたという。


僕のことは実は聞く前から知っていたそうだ。

いつ会ったかは言わなかったが。

会うのを楽しみにしており、とにかくパーティーを組みたかったようだ。

レーコにもその旨を伝えていたそうだ。

だからレーコはさっさと僕をパーティーから追い出したんだな、と思った。


この町に来るまで戦闘をせず、仲間が来てからすぐ分かるように食堂でウェイトレスをやっていたそうだ。ちなみに異世界の門は出た後すぐ閉まってしまい、最初に入ってきた門は二度と開かないそうだ。


「元の世界に戻ることはできないの?」


「ううん。この先に進めば、行ったり来たりできる門があるんだって」


リョウは(そう呼べと言われた)立花にいろんなことを聞いていたそうだ。

何故僕にはあまり説明がなかったかというと、あまり親しくなれなかったからだそうだ。


そこそこの情報を教えてもらい、リョウのレベル上げをすることとした。

飯屋の主人に辞めることを伝え、明日から冒険者になることとした。


「じゃあ、明日朝、冒険者ギルドの前に集合ということで」


「分かった。じゃあ明日ね」


最後の仲間を見つけ(立花は後回しだな)、本格的な異世界冒険を始めることとした。

僕らの冒険はこれからだ・・・



安宿の朝は早い。

狭い藁のベッドで目が覚める。

チェックアウトを済ませ、近くの水場に向かう。

周囲に井戸がないため、広場の噴水で顔を洗う。

訓練できる場所を探すが見つからないため、今日は町の確認のためランニングだけすることにした。


小一時間走り回り、軽く汗を流し、また噴水で体を拭く。

門の前に行くと数軒屋台があったので、そこで朝食をすます。

前の町の方がうまかったが、お好み焼きそばもどきがあったので、それを食べる。

いい時間になったのでギルドへと向かった。


「お待たせ、待った?」


「うぅん、今来たところ」


なんというリア充なセリフなのだろうか。意図せず会話をする。

特に彼女というわけでもないが、大事な仲間である。

ちょっとかわいいけれど・・・


この町の物価は高いが、切り詰めれば数日は持つだろう。

リョウのギルド登録を済ませ、武器・防具を購入しに行く。

ちなみにパーティープレイをすれば、僕のシルバープレートでクエストは受けれる様だ。はぐれスケルトン位ならばレベ上げはできそうだ。


リョウの装備は革の胸当てに革のパンツ、脛当て、ブレーサーとし、動きやすい装備とした。敏捷が少し高いようなので、回避重視で盾は持たさない。

フェンシングスタイルがいいそうで、レイピアを購入したかったが、値段がバカ高かったので、まずは木刀にした。

HP・MPポーションを買い足し、早速レベ上げをすることとした。・・・




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